東京市場では、ドル買いとなった海外市場の流れを引き継ぎ、序盤からドル/円は堅調な動きとなった。また、五十日(ごとおび)で実需のドル買いフローも散見され、仲値公示近辺までドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
その後は、やや材料に乏しいことや、政府・当局者の発言が相次いだことから、限定的な動きが続いた。
米国市場では、主要な米経済指標が堅調な結果となったことを受けて、早期の利上げに対する期待感からドル買いが優勢となった。ドル買い一巡後は、利益確定のドル売りなどで、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）イエレンFRB議長が議会証言で、早期の利上げの可能性を示唆したことが引き続き材料視され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、商業決済が集中する五十日(ごとおび)で、仲値公示近辺まで実需のドル買いが見られた。

（2）仲値公示通過後は、材料に乏しい中、オプション絡みのドル売りなどもあり、上値の重い動きが続いた。また、東芝の経営再建問題なども圧迫材料となった。

（3）序盤は、欧州主要株価が堅調な展開で始まったものの、上値の重い動きとなった。ただ、米小売売上高、消費者物価指数がいずれも市場予想を上回る結果となったことから、FRBが早期に追加利上げに踏み切るとの期待感が高まったことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となった。

（4）ドル買い一服感や、米長期債利回りの低下などを背景に、ドル売りが優勢となった。ただ、株価が堅調な動きが続いていることなどが材料視され、終盤には値を戻す場面もあった。

今週注目されたイエレンFRB議長の議会証言や、複数の当局者の講演が終了したことから、限定的な動きも考えられる。昨晩のダウ平均株価など米主要株価が最高値を更新する動きとなったことから、日本株の動きに注目したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果を受けて、利上げに関する思惑が交錯する可能性が考えられる。市場予想より堅調な結果となる場合でも、昨日同様に115円台近辺では上値の重い動きも予想される。一方、悪化する場合には、反落となる可能性も想定しておきたい。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
22:30	米国	1月住宅着工件数 住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。	122.6万件	122.6万件
		前回は、大幅な低下となった反動から、再び122万件台を回復する結果となった。主力の一戸建て住宅は2ヵ月連続の低下となり、集合住宅の急増が押し上げ要因となった。集合住宅の大幅な増加は続かない傾向があることから、今回主力である一戸建住宅が改善しなければ、全体が減少する可能性も想定しておきたい。
22:30	米国	1月建設許可件数 住宅建設許可件数は、住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。	123.0万件	121.0万件
		前回は、市場予想を下回り、2ヵ月連続の低下となった。ただ、大台の120万件台は4ヵ月連続で上回っており、引き続き住宅市場の堅調さが維持されている。今回も大台の120万件を上回ると予想されており、安定さが示されるだろう。ただ、120万件を下回る場合には、ドルの下振れとなる可能性に注意したい。