前営業日トピックス
東京市場では、週明けで新規材料に乏しい中、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大する動きとなったことから、円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
ドル/円は、一時111円台まで下落したものの、値頃感の買い戻しに加え、午後には株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、一部の米経済指標が市場予想を下回る結果となったことが嫌気され、また株価が軟調な動きとなったことも影響し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
その後株価が堅調な動きとなったことや、米債券利回りの上昇などもあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、ダウ平均株価が取引時間中、終値ベースの最高値を更新する動きとなったことから、クロス円も堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)下落して始まった日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、ドルロング手仕舞いの動きもあり、ドル/円は一時111.92まで下落し、2/9以来の安値を付ける動きとなった。
(2)111円台では、値頃感の買い戻しや、実需のドル買いも見られ、値を戻す動きとなった。しかし、欧州の政治情勢への不透明感から、対欧州通貨で円高が顕著になっており、ドル/円やその他のクロス円も上値の重い動きが続いた。
(3)米耐久財受注は、市場予想を上回る結果となったものの、コア指数が7ヵ月ぶりのマイナスとなったことが圧迫要因となった。また、米株価が上値の重い動きが続いたことや、米債券利回りが低下したことも影響して、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(4)米当局者の発言や、米株価が堅調な動きとなったこと、また米債券利回りの上昇も影響し、ドル買い・円売りが優勢となった。ダウ平均株価は、12営業日連続で終値ベースの最高値を更新した。
本日のトピックス
東京市場では、米大統領の初めての議会での演説を控えて様子見ムードが強まっており、限定的な動きが続く可能性が考えられる。ただ、ここまで日経平均株価の下落が続いており、下げ止まりが見られるのか注目したい。米大統領の議会演説は米国時間28日21時(日本時間3月1日午前11時)であり、米国時間でも限定的な動きが続く可能性も考えられる。ただ、米国の主要な経済指標の発表や、複数の米当局者の発言が予定されていることから、結果や発言の内容を受けて思惑が交錯する可能性も考えられる。また、ダウ平均株価は、前日まで12営業日連続で終値ベースの高値を更新しており、これまでの最長である13営業日連続に並ぶのかどうかにも注目したい。
2/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
4Q GDP(前期比年率)
一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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2.1% | 1.9% |
前回の速報値は、7-9月期の+3.5%から大きく落ち込み、市場予想の2.2%も下回る結果となった。個人消費が2四半期連続で低下したことや、輸出がドル高などを背景に落ち込んだことが影響した。 今回の改定値では、2%台への改善が予想されているが、予想通り2%台に修正されるのか注目したい。 | ||||
23:45 | 米国 |
2月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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53.5 | 50.3 |
前回は、市場予想を大きく下回り、2016年5月以来の低水準となった。ただ、景気の判断の基準となる50は維持した。今回は、前回の大幅低下の反動もあり、改善が予想されているが、50を下回った場合の下振れには注意したい。 |