前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤からドル買いが先行した。また、年度末を背景とした国内輸入企業の実需のドル買い・円売りも入り、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、112円台では上値の重い動きが続いた。午後には日経平均株価が下落に転じたことから、リスク回避の動きとなり円が買われた。
米国市場では、米経済指標がまずまずの結果となったものの、当局者の発言を受けて、利上げペースを巡る先行き不透明感を背景に、ドル売り・円買いが優勢となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)良好な米経済指標や米金融当局者の発言を受けて、ドルは堅調な動きとなった。また、月末・期末のドル買いフローも入り、仲値公示近辺までドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)112円台では上値の重い動きが続き、午後に入り日経平均株価が下落に転じ、下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、安全資産とされる円を買う動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、期末・月末の実需の円売り・ドル買いなどから、値を戻す動きとなった。
(3)日本や欧米の株価下落の影響を受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、米個人消費支出(PCE)が2.1%となり、FRBが目標とする2%を上回ったことを好感して、ドルが買われる動きとなった。しかし、NY連銀総裁が緩やかなペースで追加利上げを進める方針を示したことから、ドルは軟調な動きとなった。
(4)米当局者の発言が引き続き材料視され、利上げペースを巡る先行き不透明感などからドル売りが優勢となった。ユーロ圏の消費者物価指数の伸びが鈍化したことを受けて、ECBが大規模な金融緩和を継続するとの見方が材料視され、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日銀短観の発表があり、結果を受けて動きが出る可能性も考えられるが、重要なイベントなどを控えており、様子見ムードが強まる可能性もあるだろう。また、欧州市場では、ユーロ圏主要国の製造業関連の指標が発表されることから、結果に注目したい。ただ、先週末のユーロ圏の消費者物価指数の伸びが鈍化したことを受けて、金融緩和を継続するとの見方が広がったことが引き続き材料視され、ユーロは上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
米国市場でも製造業関連の経済指標の発表が予定されている。引き続き堅調な結果となる場合には、一段の上昇も考えられる。また、複数の当局者の発言も予定されているが、先週末にハト派的な発言でドルが下落していることから、発言の内容には注意したい。
4/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
3月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。 50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。 |
57.2 | 57.7 |
前回は、市場予想を上回り、2014年8月以来の高水準となった。また、6ヵ月連続で前月から上昇となった。今回は、前回からの低下が予想されており、上昇が続いた反動を指摘する向きもある。ただ、大きく低下しなければ、影響は限定的だろう。特に、ここまでの上昇に寄与している新規受注の伸びが継続するかに注目したい。 |