前営業日トピックス
フランス大統領選の決選投票の結果を受けて、欧州政治をめぐる不安が、落ち着くとの見方を背景に、ユーロが全般的に買われる動きとなった。また、比較的安全な資産とされる円が売られる動きとなり、ドル円・クロス円は先週末の海外市場の終値からギャップアップして始まった。その後は利益確定の売りなども入り、上値の重い動きとなった。
欧州市場では、欧州の主要株価の下落や、米債券利回りの低下を受けて、円買いの動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しい中、米債券利回りが上昇に転じたことや、米国の追加利上げ期待などを背景に、ドルが堅調な動きとなった。また、日米金利差拡大も意識され、クロス円も堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)仏大統領選の決選投票で、中道系候補のマクロン前経済相が勝利したことが好感され、ユーロ買いが先行し、ユーロ/円は昨年5/12以来、約1年ぶりの高値を付けた。また、ドル/円も先週末の海外市場の終値から30ポイントギャップアップとなった。
(2)利益確定やポジション調整の売りに押され、軟調な動きとなった。
(3)日経平均株価が大きく上昇して始まり、350円以上の上昇となったことを好感し、円売りが優勢となった。仲値公示を挟んでドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、輸出勢のドル売りが流入したことや、短期筋の売りに押され、上値の重い動きが続いた。
(4)米10年債利回りの低下や、欧州主要株価が軟調な動きとなったことが影響し、円買いの動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(5)先週末の米雇用統計が強い数字となったことで、米国の利上げ期待が高まったことが改めて意識されたことから、ドル買いが優勢となり、ドルは主要10ヵ国の通貨に対して上昇した。また、米債券利回りが上昇に転じたことを受けてドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は3/17以来の高値を付ける動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、やや上値の重い動きが予想される。前日大幅高となった日経平均株価が反動で軟調な動きとなるようなら、為替市場にも影響する可能性が考えられる。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果を受けて米国の利上げ期待が意識されるようなら、ドルの一段の上昇の可能性も考えられる。また、マーケットでは、米国の金利動向に注目が集まっており、米債券利回りの動きなどには敏感に反応していることから、債券利回りの動きには注目したい。
5/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
3月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
|
573.8万件 | 574.3万件 |
前回は、市場予想を上回り、7ヵ月ぶりの高水準に増加した。米景気の改善を背景に、引き続き求人数は堅調な結果が続いている。今回は、前回から若干低下が予想されているものの、引き続き高水準が維持される。また、雇用率や離職率、解雇者数の推移にも注目し、現状の雇用情勢を判断したい。 |