前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の軟調な流れが一服し、序盤は値を戻す展開となった。また、日経平均株価が下落して始まったものの、事前に予想されていたよりも序盤の下げ幅が小さかったことも安心買いにつながった。ただ、日経平均株価が下げ幅を拡大する動きとなると、ドル円・クロス円は反落となった。その後、値頃感から買い戻しの動きも出たことで堅調な動きとなった。
欧州市場では、日本やアジア市場の株価下落を受けて、欧州主要株価も大きく下落したことが嫌気され、再びリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は下落した。特に、ドル/円は4/25以来の安値を付ける動きとなった。米国市場では、米経済指標がまずまずの結果となったことや、下落して始まった米主要株価がプラスに転換したこと受けて、円売りが優勢となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ロシアの米大統領選関与疑惑を巡り、トランプ大統領に対する弾劾裁判の可能性が持ち上がったことなどを受けて、海外市場でドルが下落した流れが一服し、ドルを買い戻す動きが先行した。また、国内勢のドル買いが根強いことも影響し、序盤は堅調な動きとなった。
(2)日経平均株価が下げ幅を拡大し、この日の安値となる365円安まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は反落となった。その後は、値頃感から国内勢のドル買いフローが下支え要因となり、徐々に堅調な動きとなった。また、海外市場で急速な下げとなったことで、下げ過ぎ感も出ていたことも押し上げ要因となった。
(3)独DAX指数や英FT100指数など欧州の主要な株価指数が下落して始まり、下げ幅を拡大する動きとなったことから、リスク回避の円買いが優勢となった。また、米国の長期金利の低下もドル売り・円買いを後押しした。
(4)米失業保険申請件数やフィラデルフィア連銀指数がともに市場予想より良い内容だったことで米景気の先行き懸念が後退し、安全資産とされる円を売る動きが優勢となった。また、前日低下した6月のFOMCでの利上げ確率が上昇したこともドルの押し上げ要因となった。そして、下落して始まった米株価が反発したことも影響した。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、リスク回避の動きも一巡し、ドルや株価が反発しており、この流れを引き継いで底固い動きが考えられる。特に、日経平均株価が上昇となった場合はドル円・クロス円の押し上げ要因となるだろう。ただ、新規材料に乏しく、週末であることから、実需の動きが活発になる可能性もあり、仲値公示や引け近辺の動きには注目したい。
米国市場では、主要な米国の経済指標の発表がないことや、週末であることから、やや限定的な動きも考えられる。ただ、新しいFBI長官が決定される予定であることなど、米国の政治に絡む思惑が交錯する可能性も考えられる。また、米政府関係者などの要人の発言にも注目したい。