前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が2万円台の大台乗せとなったことや、円が対欧州通貨で上昇したことも加わり、ドル/円は堅調な動きとなった。しかし、その後は米雇用統計の発表を控えていることなどから、様子見ムードが強まり、小動きの展開が続いた。
そして、米雇用統計では雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったことや、賃金の伸びが鈍かったことから、利上げペースが引き続き緩やかになるとの見方から、ドルは軟調な動きとなった。また、米国債利回りが低下し、円が買われたことから、クロス円も軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が、2015年12月1日以来の2万円台の大台乗せとなったことを好感し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米雇用統計を控えていることもあり、実需のフローは限定的だった。
(2)午後に入り、株価の動きが落ち着いたことや、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まっていることを受けて、主要通貨は狭いレンジ内の動きが続いた。
(3)ADP雇用統計が良好な結果だったことから、雇用統計発表直前にドルが押し上げられる場面もあった。しかし、米雇用統計の発表では、失業率が2001年5月以来16年ぶりの低水準となったものの、非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回る結果となったことなどから、FRBが年内の追加利上げをあと1回にとどめるとの見方が広がり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前週末の米雇用統計の結果が引き続き材料視され、上値の重い動きが考えられる。また、2万円台乗せとなった日経平均株価が2万円台を維持できるのかどうかにも注目したい。
欧州では、英国議会選挙(8日)やフランスの国民議会選挙(11日)を控えており、引き続き調査会社各社の世論調査の結果に一喜一憂する動きが続くだろう。なお、ドイツ市場は本日は休場となる。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、雇用統計直後でやや反応は限定的との見方もあるが、FOMCを控えていることもあり、予想と乖離する場合(特に悪化)には、利上げペースに関する思惑が交錯する可能性もあり、結果には注目したい。
6/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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57.0 | 57.5 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、2ヵ月ぶりの高水準となった。今回は、前回結果を下回るが、引き続き高水準が予想されている。そして、米雇用統計の発表後となったことから、やや注目度は通常よりも低いものの、最近の米経済指標の結果に懸念が残ることから、結果を受けた動きには一応注意したい。 |