前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が堅調な動きとなったことや、実需のドル買い・円売りも加わり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。午後に入ると、株価が上げ幅を拡大する動きとなったことや、欧米の国債利回りの上昇を受けて、日本との金利差が拡大するとの思惑を背景に、円売りが優勢となった。その後、底固い動きが続いたが、トランプ米大統領の長男が、大統領選前にロシア側とメールを交換していたとの報道を受けて、政権運営に対する不透明感が広がり、ドル売り・円買いが優勢となり、クロス円も軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な展開で始まったことに加え、輸入企業のドル買い・円売りも観測され、仲値公示にかけて堅調な動きとなった。ただ、仲値公示近辺から利益確定売りが入り、押し戻される展開となった。
(2)日経平均株価が上げ幅を拡大する動きが続いたことや、米長期金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、欧米の金融政策が引き締めに向かうとの思惑も、円売りを加速させる要因となった。
(3)堅調な展開で始まった欧州主要株価が下落に転じたことから、投資家の積極姿勢が後退し、比較的安全な通貨とされる円を買い戻す動きも見られた。ただ、その後は底固い動きが続いた。
(4)イエレン議長の議会証言を12日に控えて、やや様子見ムードも強まりつつある中、日米の金利差が拡大するとの思惑から円売り、ドル買いが進んだ。しかし、トランプ米大統領の長男が、大統領選前にロシア側とメールを交換していたとの報道を受けて、政権運営に対する懸念が広がり、ドル売り・円買いが優勢となった。
本日のトピックス
東京市場では、このところ株価や欧米の国債利回りの動きに敏感に反応していることから、引き続き株価や国債利回りの動きに注目したい。ただ、イエレンFRB議長の議会証言を控えて様子見ムードも強まっていることから、限定的な動きも考えられる。そして、欧米の金融政策が引き締めに向かうとの思惑から、イエレンFRB議長の発言が極端にハト派に傾倒しなければ、日米の金利差拡大の動きは変わらないとの見方も出ている。
ただ、昨日トランプ大統領の長男が、大統領選前にロシア側とメールを交換していたとの報道があり、米国の政権不安からドルが売られる動きとなったことから、上値に対する警戒感もある。特に、新たな報道や関連する発言には注意したい。
7/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | カナダ |
カナダ政策金利発表 |
0.75% | 0.50% |
カナダ中銀は、2015年7月以降、政策金利の据え置きを続けているが、今回は0.25%の利上げが予想されている。このところ、カナダ中銀の声明や、当局者によるタカ派的な発言が続いていることから、マーケットでの利上げ期待が高まっている。現状の金利先物市場では、0.25%の利上げ予想確率が88.6%となっている。 |