前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、堅調な展開で始まった。そして、仲値公示近辺にかけては、実需のドル買いフローも散見され、ドルを押し上げる要因となった。ただ、その後は利益確定の動きに加え、日経平均株価が軟調な動きとなったことも影響し、上値の重い動きとなった。また、欧米の国債利回りの低下が続いたことから、円買いが優勢となった。
米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、ロシアゲート問題などが引き続き材料視され、ドルは軟調な動きとなった。また、原油価格が大きく下落したことや、欧米の株価下落も影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドルは堅調な動きとなった。そして、仲値公示近辺までは、実需のドル買い・円売りフローが入り、ドル/円は112円台まで上昇する動きとなった。
(2)仲値通過後には、利益確定売りや、一旦下げ幅を縮小していた日経平均株価が再び下落したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。特に、豪中銀副総裁が「海外の利上げの動きに追随する理由はない」と発言したことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して一段の下落となった。
(3)日経平均株価に加え、欧州主要株価が下落して始まったこと、また週末を控えたポジション調整の動きも見られ、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。一方、欧州勢参入時には、ECBの金融緩和策が引き締めへ向かうことが改めて意識されたことから、一時ユーロが堅調な動きとなる場面もあった。
(4)米国の主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、米大統領選の干渉疑惑(ロシアゲート)などを背景にしたトランプ大統領の政権運営に対する不透明感が引き続き材料視され、ドルは軟調な動きとなった。また、スパイサー米報道官の辞任が報道されるなど、トランプ米政権の先行き不安も加わり、ドルを圧迫した。そして、原油価格や株価下落、欧米の国債利回りの低下も加わり、円を買う動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
先週末の米国市場では、ドル円・クロス円がジリ安の展開となったことから、東京市場でもやや上値の重い動きも考えられる。また、午後には日本の景気関連の経済指標の発表が予定されているが、影響は限定的だろう。海外市場では、比較的影響を受けやすい欧州と欧州主要国の経済指標の発表が予定されており、結果には注目しておきたい。
米国では、最近さえない経済指標の結果が続いており、これが米国の早期利上げ期待の後退を後押ししている。本日発表される中古住宅販売件数は、米経済指標の中では比較的好調を維持している指標であることから、結果を受けたドルの動きに注目したい。
7/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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556万件 | 562万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、住宅価格が上昇しているものの、販売が増加しており、堅調な結果となった。今回は、前回から若干の低下が予想されているものの、引き続き550万件台を維持できれば、相場への影響は限定的だろう。 |