前営業日トピックス
前週末の米雇用統計の結果が改めて材料視され、序盤は堅調な動きとなった。その後は、一服感からやや上値の重い動きとなった。そして、日経平均株価が堅調な展開で始まったものの、新規材料に乏しい中、実需のドル売り・円買いなどもあり、ドル/円は軟調な動きとなった。その後はもみ合いの動きが続いたが、欧米の国債利回りが上昇したことを受けて、円が売られる動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、主要な経済指標の発表もなく、ドルは小動きの展開となった。その後、原油価格の下落したことなどが影響し、豪ドルなど資源国通貨はやや軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)先週末の米雇用統計の結果や、米国の税制改革への思惑を背景に、堅調な動きとなった流れ引き継ぎ、序盤から底固い動きとなった。ただ、その後は利益確定の動きなども入り、上値の重い動きとなった。また、フローは少ないものの、実需のドル売りも影響した。
(2)新規材料に乏しく、市場参加者は徐々に夏季休暇に入っていることから取引も限定的となり、もみ合いの動きが続いた。ただ、欧州の主要株価が上昇して始まったことや、米国債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
(3)米国の主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことに加え、週後半に発表される主要な米経済指標の内容を見極めたいとの様子見ムードも強く、終盤まで小動きの展開が続いた。また、米当局者の発言があったものの、反応は限定的だった。ただ、南アフリカで、ズマ大統領への不信任投票が非公開で実施(8日予定)されるとの報道を受けて、南ア・ランドは主要通貨に対して上昇した。
本日のトピックス
東京市場では、午前中に貿易収支や経常収支の発表、午後には景気関連の経済指標の発表が予定されており、日経平均株価の2万円台定着に寄与する材料となるのか注目したい。市場参加者は徐々に夏季休暇に入っており、実需関連の取引が少ないことが予想されることから、為替市場の動きはやや限定的だろう。
また、中国の主要な経済指標の発表も予定されており、為替市場への影響は限定的であるものの、一応注目しておきたい。また、海外市場では、ドイツ、フランスの貿易収支、経常収支の発表、米国では雇用関連の経済指標が予定されており、結果には注目したい。
ただ、海外のトレーダーも一部が夏期休暇入りしていることから、限定的な動きが考えられる。一方、8日のズマ大統領不信任投票が無記名式で行われることが決定したことで、ズマ大統領が辞任に追い込まれる可能性が高まったとの見方が広がっている。ズマ大統領は、相次ぐ不祥事や、景気後退に対処できなかったことに批判が集まっており、辞任となるようなら、ランド相場には追い風になると見られていることから注目したい。
8/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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570.0万件 | 566.6万件 |
前回は、市場予想を下回る結果となり、4月の過去最高から低下した。ただ、依然として最高水準に近く、求人件数は豊富といえる。今回は、前回からやや改善が予想されているが、相場への影響は限定的だろう。5月に雇用された労働者は547万人(4月504万人)と増加する一方、自発的離職者が322万人(4月304万人)と増加しており、今回の結果に注目したい。 |