東京市場では、前日の海外市場で米経済指標が堅調な結果となったことに加え、北朝鮮リスクへの警戒感がやや後退したとの見方から、安全な通貨とされる円を売る動きが先行した。ただ、新規材料に乏しい中、上値は限定的となり、その後はもみ合いの動きが続いた。そして、欧州主要株価が堅調な動きとなったことや、欧米の国債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米住宅関連の経済指標が予想に反して悪化したことから、ドルは主要通貨に対して下落した。その後、ドルは一旦反発する場面があったものの、トランプ米大統領が製造業諮問委員会と戦略・政策フォーラムの解散を発表したことや、FOMCの議事録公開を受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、グアムへのミサイル発射計画の決定前に米国の様子をみるとしたことを受けて、リスク回避の動きが弱まり、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、仲値公示にかけてドルは上昇したが、夏季休暇の企業も多く実需筋の参加は限定的だった。

（2）日本の主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、レンジ内のもみ合いの動きが続いた。

（3）欧州主要株価が軒並み堅調な動きとなったことや、欧米の国債利回りが上昇したことを受けて、円が売られる動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、ドラギECB総裁のジャクソンホール講演での発言に期待が高まっていたが、金融政策に関するメッセージを出すつもりはなく、秋まで議論を延期する意向との関係筋の話が伝えられたことを受けて、ユーロは大半の主要通貨に対して下落した。

（4）米国の住宅着工件数が予想に反して低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。その後、値を戻す動きもあったが、トランプ米大統領が大企業の経営者らで構成する製造業諮問委員会と戦略・政策フォーラムの解散を発表したことを受けて、米政権の先行き懸念が強まり、ドルは軟調な動きとなった。また、米FOMCの議事録では、インフレに関してハト派的な議論がされていたことが明らかとなり、緩やかな利上げペースが意識され、ドルは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。

東京市場では、米政権の先行き懸念や、緩やかな米国の利上げペースが意識されたことが引き続き材料視され、上値の重い動きが続く可能性が考えられる。そして、序盤には、日本の貿易収支の発表が予定されており、結果が株価に影響するのか注目したい。また、豪州の雇用統計の発表も予定されており、発表を受けた豪ドルの動きにも注目したい。
海外市場では、ユーロ圏の消費者物価指数の発表があり、金融政策の先行きを占う意味で注目されており、加えてユーロ圏の貿易収支、ECB議事録公表も注目したい。
米国市場でも主要な経済指標の発表が予定されているが、今週の米経済指標はまちまちの結果が続いており、結果に注目したい。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
23:00	米国	7月景気先行指標総合指数（前月比） 米国の民間調査機関のコンファレンスボードが発表する指標で、株価や金利、企業業績、マネー・サプライなど景気に先行して動く10種類の経済指標を指数化した経済指標。景気の方向性や転換点を判断する上で参考にされる。	0.3%	0.6%
		前回は、市場予想を上回り、1月以来の高い伸びとなった。今回は、前回の反動もあり、やや低下が予想されているが、事前に発表されたISM新規受注や住宅着工許可件数が低下していることもあり、予想以上の低下にも警戒したい。