海外市場の堅調な流れが一服し、序盤はやや上値の重い展開となった。また、北朝鮮のミサイル発射に関する発言が報道されたことを受けて、軟調な動きとなったが、やや反応は限定的となった。その後は、国連安保理が開催されたことで、一旦緊張が緩和するとの見方や、日経平均株価の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
その後、日本や欧州の株価上昇を受けて、欧州勢がドル買い・円売りを進めたことから、ドル円・クロス円は一段の上昇となる場面もあった。
米国市場では、米雇用関連の経済指標やGDPが予想を上回る結果となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、その後反落する場面もあったが、終盤までは底固い動きが続いた。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）北朝鮮の金委員長の「太平洋を標的にした弾道ロケット演習をさらに実施する必要がある」、「引き続き米国の態度を注視し、今後の行動を決定する」との発言が朝方報道され、序盤やや上値の重い動きとなった。その後は、日経平均株価が上昇したことや、実需のドル買いなどもあり、堅調な動きとなった。

（2）新規材料に乏しい中、日経平均株価が上値の重い動きが続いたことから、ドル円・クロス円も小動きの展開が続いた。しかし、日経平均株価が終盤に一段の上昇となったことや、欧州主要株価が上昇して始まったことで、欧州勢のショートカバーの動きなどからドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。

（3）その後、欧州主要株価や、時間外の米国株が上げ幅を縮小する動きとなったことから、上値の重い動きが続いた。しかし、米国市場では、米ADP雇用統計やGDP、個人消費が市場予想を上回る結果となったことを受けて、ドル買いが優勢となり、ドルは主要通貨に対して上昇した。

（4）トランプ米大統領が北朝鮮に対し「対話は答えではない」とツイッターに投稿したことを受けて、北朝鮮情勢を巡る懸念が再燃し、円が買われる場面もあった。しかし、米国の経済指標結果を受けて、年内の追加利上げが意識されたことから、ドルは終盤まで底固い動きが続いた。一方、ユーロは、ECBがユーロ高の是正に動くとの思惑が浮上したことから、上値の重い動きが続いた。

東京市場では、前日の海外市場で米国のGDPや雇用関連の経済指標が良好な結果となった流れを引き継ぎ、底固い動きが考えられる。そして、北朝鮮情勢の過度な懸念が和らいだことも影響するだろう。また、日本の主要な経済指標の発表が予定されているが、反応は限定的だろう。
海外市場では、ユーロ圏やドイツ、フランスの経済指標の発表も予定されており、良好な結果となるようなら、ECBの金融政策に対する期待感が引き続き材料視される可能性も考えられる。ただ、ECBがユーロ高の是正に動くとの思惑もあることから、指標がさえない結果となるようなら、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、米国の雇用統計を控えて様子見ムードが強まりつつあるものの、前日同様に堅調な結果となるようなら、年内の追加利上げが意識される可能性も考えられる。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
22:45	米国	8月シカゴ購買部協会景気指数 シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。	58.5	58.9
		前回は、市場予想を下回る結果となり、6月に付けた2014年6月以来の高水準（65.7）から大きく低下し、急上昇の反動があった。今回は、若干の低下が予想されているものの、依然として過去2年間の平均を上回っていることから、予想の範囲内の結果なら大きな懸念にはならないだろう。
23:00	米国	7月中古住宅販売仮契約（前月比） 中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。	0.4%	1.5%
		前回は、市場予想を上回り、4ヵ月ぶりのプラスとなった。今回は、引き続きプラスが予想されており、安定的な伸びが続くのか見極めたい。ただ、中古住宅市場の先行指標とされているだけに、再びマイナスとなるようなら、懸念が高まる可能性も考えられる。