東京市場では、衆院の早期解散総選挙の可能性を受けて日経平均株価が上値の重い動きとなったことや、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強まったことが影響し、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その後、米国でのハリケーンの影響などもあり、年内の米国の追加利上げに対して懐疑的な見方が出ていることや、ポジション調整の動きも加わり、ドルはやや上値の重い動きが続いた。米国市場では、序盤に発表された住宅関連の経済指標が冴えない結果となったものの、FOMCを控えて様子見ムードが強まっており、反応は限定的となった。そして、FOMCでは、政策金利が据え置きとなったものの、バランスシートの縮小が決定されたことや、年内の利上げ期待が高まったことを受けて、ドルは大半の主要通貨に対して堅調な動きとなった。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）トランプ米大統領が、国連の演説で北朝鮮に対して強い口調で警告をしたが、発言を受けて北朝鮮がどのような対応を取るのか不透明感があるとの見方に加え、米FOMCの結果発表を控えて様子見ムードも強まっており、序盤から小動きの展開が続いた。その中で、商業決済が集中しやすい五・十日であり、本邦輸入企業のドル買い・円売りも見られ、仲値公示にかけてドル/円が上昇したものの、上値は限定的となった。

（2）早期の解散総選挙の可能性が意識され、日経平均株価がやや上値の重い動きとなったことや、FOMCの結果発表を控えて、個人投資家などのポジション調整の動きが出たこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。一時、欧州主要株価が上昇して始まったことを受けて、円が売られる場面もあったが、その後上げ幅を縮小する動きとなったことから、上値の重い動きが続いた。

（3）FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強まっている中、米国債利回りが上昇したことを受けて、ドル円・クロス円はやや堅調な動きとなった。ただ、米住宅関連の経済指標が予想を下回る結果となったことを受けて、ドルが売られる場面もあった。

（4）FOMCでは、主要政策金利であるFF金利の誘導目標が据え置きとなったが、10月からのバランスシートの縮小開始が発表されたことや、年内あと1度の利上げを見込む当局者が前回から増えたことを受けて、年内の追加利上げの期待感が高まり、ドルは大半の主要通貨に対して上昇となった。また、米国債利回りが上昇したことで、日米の金利差拡大も意識され、ドル/円は112.53まで上昇し、7月18日以来の高値を付ける動きとなった。

東京市場では、日銀の金融政策決定会合の結果発表が予定されている。ただ、金融政策の現状維持が決定されるとの見方がコンセンサスとなっていることから、やや注目度も低くなっている。ただ、全会一致で現状維持が決定される場合には、出口政策までまだ時間がかかるとの見方が強まる可能性も考えられることから、採決の結果には注目したい。また、米国との金融政策の違いが改めて意識される可能性もあり、日米の国債利回りの動きにも注目したい。海外市場では、南ア中銀の政策金利発表が予定されており、現状では利下げが予想されていることから、こちらの結果にも注目したい。そして、米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているが、FOMC後でもあることから、結果を受けた反応はそれ程大きくならないだろう。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
23:00	米国	8月景気先行指数（前月比） 米国の民間調査機関のコンファレンスボードが発表する指標で、株価や金利、企業業績、マネー・サプライなど景気に先行して動く10種類の経済指標を指数化した経済指標。景気の方向性や転換点を判断する上で参考にされる。	0.3%	0.3%
		前回は、市場予想と一致し、1月以来の高い伸びから低下となった。特に、住宅関連の指標が低迷したことが影響した。今回は、前回と同じ伸び幅が予想されているが、対象となる住宅関連の指標がやや改善したことも影響するだろう。