前営業日トピックス
前日の海外市場の流れを受けて、序盤から堅調な動きとなった。ただ、日経平均株価が下落して始まったことが影響し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きが続いた。海外市場では、欧州主要株価が上昇して始まったことや、前日のイエレン議長の講演で年内の追加利上げが改めて意識されたこと、また北朝鮮情勢への警戒がやや後退したとの見方から円が売られる動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。 そして、米耐久財受注が予想を上回ったことがドルを押し上げたものの、その後に発表された住宅関連の経済指標が悪化したことから、上値の重い動きとなった。また、トランプ米大統領の税制改革の枠組みに反論が出たとの報道を受けて、株価が下落に転じたことが嫌気され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、午後には株価が反発したことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)イエレンFRB議長の講演を受けて、年内の追加利上げが意識されたことから、ドルを買って円を売る動きが広がった流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。一時112.50円を上抜ける動きとなったが、112.50円近辺では上値の重い動きが続いており、改めて上値抵抗線として意識された。仲値公示にかけては輸入企業のドル買いが先行したが、仲値通過後は輸出企業のドル売りや投機筋の調整売りも出て軟化した。
(2)日経平均株価が序盤から軟調な動きが続いたことや、新規の材料に乏しい中、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。その後、独DAX指数や仏CAC指数といった欧州の主要株価指数が小高く始まったことや、米国債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、米景気拡大への期待感や、北朝鮮情勢への警戒が若干和らいだことも円安につながった。
(3)米国市場では、耐久財受注が市場予想を上回る結果となったことや、米税制改革案で法人税率引き下げへの期待感もドルの下支え要因となり、ドル/円は7/14以来の113円台まで上昇した。ただ、その後に発表された住宅関連の経済指標が悪化したことや、米税制改革案の法人税率引き下げが当初予定していた15%は断念されたとの報道を受けて、株価が下落となり、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。
(4)一時マイナス圏まで下落していた米ダウ平均株価が、引けにかけて値を戻す動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表がないものの、臨時国会が召集されており、冒頭で衆院を解散する予定であることから、これを受けた株価や為替市場の動きに注目したい。与野党の動きが活発となっており、総選挙に向けて思惑が交錯する可能性も考えられる。また、午後には黒田日銀総裁の発言が予定されており、内容にも注目したい。
米国市場では、米GDP、個人消費など、主要な経済指標の発表が予定されている。ただ、第2四半期のデータであり、懸念されているハリケーンの影響は含まれていないことから、反応は限定的だろう。また、本日も複数の米金融当局者の講演が予定されており、発言の内容に注目したい。
9/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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3.0% | 3.0% |
前回は、個人消費や設備投資が堅調だったことを受けて、速報値から上方修正され、2年ぶりの高い成長率となった。今回は、3%台が維持されると予想されており、引き続き好感されるだろう。ただ、第3、4四半期には、ハリケーンの影響で下方修正されると予想されていることから、今回の結果を受けた反応はやや限定的だろう。 |