前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、堅調な展開で始まった。ECBが金融引き締めを急がないとの思惑が広がったことが引き続き影響し、ユーロ安が続き、ドルは対ユーロで大きく上昇、対円でも底固い動きとなった。また、仲値公示にかけて実需のドル買いフローもドルの押し上げ要因となった。その後は、上値の重い動きが続いたものの、欧州市場では改めてユーロ売りが優勢となり、また米国債利回りの低下も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。 米国市場では、米GDPが予想外の良好な結果となったことを受けてドル買いとなったが、トランプ米大統領が次期FRB議長にパウエル氏指名に傾くとの関係者の発言が報道されたことを受けて、ドルは下落となった。また、カタルーニャ議会が独立宣言を可決したことを受けて、カタルーニャ情勢への懸念が広がり、ユーロは主要通貨に対して下落した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場で、ECBが金融引き締めを急がないとの思惑からドル高・ユーロ安となった流れを受けて、ドルは対円でも堅調な動きとなった。そして、月末を控えた実需のフローに加え、外国の年金などによる日本株買いに伴う円売りヘッジが出ているとの指摘もあった。また、米国債利回りの上昇や株高も支援要因となった。
(2)仲値公示後は、一服感が出て利益確定の動きが見られたものの、日経平均株価が引き続き堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。ただ、欧州市場では、改めて前日のECB理事会の結果が材料視され、特に短期筋のユーロ売りが優勢となった。また、米国債利回りの下落も影響し、ドル売り・円買いとなった。
(3)欧米の株価上昇などを背景に、堅調な動きとなり、米7-9月期GDPが市場予想を上回る結果となったことから、2期連続で3%成長となったことを好感してドル買いが優勢となった。しかし、ミシガン大学消費者信頼感指数が速報値から下方修正されたことや、トランプ大統領が次期FRB議長にハト派と見られるパウエル氏の指名に傾くとの報道を受けて、ドル売りが優勢となった。また、カタルーニャ議会が独立宣言を可決したことを受けてユーロ売りとなり、ややリスク回避が意識された。
本日のトピックス
週明けの東京市場では、引き続き日経平均株価が堅調な動きが続くのか、また先週末の米国市場で114円台を維持できなかったドル/円の動きにも注目したい。ドル/円は、日柄やチャート形状から反落を予想する向きもあるが、FOMCを控えていることや、今週中に次期FRB議長が発表される予定であることから、結果が出るまではポジションを傾け難く、限定的な動きが考えられる。 米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているが、特に金融政策を検討する上でFRBが注目している経済指標であるものの、新議長が決まるまでは反応し難いだろう。ただ、米国債市場など、思惑先行で動くケースが続いていることから、こちらが敏感に反応する可能性もあり、債券市場の動きにも注目したい。