前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。また、五・十日であったものの、実需のフローは限定的で、大きな動きにはつながらなかった。そして、日銀の審議委員の交代(追加緩和を求める人物であること)を受けて、円売りとなる場面もあったが、影響は一時的だった。その後、日経平均株価が上昇に転じたものの、終盤に再び下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、主要な経済指標がやや冴えない結果となったものの、主要株価や米国債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、引けにかけては上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は小動きの展開で始まり、日銀短観の発表があったものの、結果に対する相場の反応は限定的だった。その後、日経平均株価が下落して始まったことが影響して、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、商業決済が集中しやすい五・十日であることから、仲値公示付近までは本邦実需筋のドル買い・円売りも見られたが、フローはそれほど多くなく、影響は一時的だった。
(2)異次元緩和からの早期の出口を求めていた審議委員に代わり、追加緩和を求める片岡審議委員が加わり、日銀は市場との対話の修正を迫られているとの報道を受けて、円売りが強まる場面もあった。ただ、日銀のスタンスは大きく変わらないとの見方から、上昇は一時的となった。午後に入り、下落していた日経平均株価がプラス圏に上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)一時プラス圏まで上昇していた日経平均株価が、引けにかけて再び下落したことに加え、欧州主要株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、新規材料に乏しく、小動きの展開が続いた。
(4)ここまで米税制改革法案の先行き不透明感などを背景に、ドルは軟調な流れが続いていたが、 米上院議員の法案支持が報じられたことから、法案成立への楽観的な見方が広がり、ドルは堅調な動きとなった。また、株価や米国債利回り上昇を受けて、一部クロス円も堅調な動きとなった。その後、米国債利回りが下落に転じ、株価も上げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、先週末に欧米の株価が堅調な動きとなり、特に米主要株価が軒並み最高値を更新する動きとなったことから、日経平均株価の動きが注目される。ただ、週明けで株価の動き以外では新規材料に乏しいことから、やや限定的な動きが考えられる。
海外市場では、ユーロ圏の消費者物価指数、米国のNAHB住宅市場指数が予定されているものの、大きな動きには繋がらないだろう。ただ、一部では米株価の高値を警戒する見方もあり、特に週替わりで調整の動きとなる場合には、為替市場にも影響する可能性も考えられることから、注目したい。