前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことが好感され、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、仲値公示通過後は、やや上値の重い動きが続いた。その後、日本や欧州の主要株価が堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円も底固い動きとなった。海外市場では、ポジション調整などが先行し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。ユーロや豪ドルは、対ドルで上昇となり、対円でも堅調な動きとなった。引けにかけては、米株価が堅調となったことを受けて、ドルは値を戻した。
一方、与党アフリカ民族会議(ANC)党大会で、党首にラマポーザ副大統領が選出されたことを受けて、ランドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、上げ一服後は利益確定の動きに押された。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けで薄商いの中、ドル円・クロス円は一時下落。マーケットでは材料がないことから、ファット・フィンガー(誤発注)ではないかとの見方も出ていた。その後は、日経平均株価が上昇して始まったことを好感して、ドル円・クロス円は堅調な動きとなっている。
(2)仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが見られたものの、仲値通過後はドル買いも細り、上値の重い動きとなった。ただ、日経平均株価が堅調な動きが続いたことや、欧州主要株価が上昇して始まったことを受けて、堅調な動きも見られた。
(3)新規材料に乏しい中、年末にかけて各国で相次ぐ重要な政治イベントへの警戒感が意識されていることや、ポジション調整なども出ており、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きが続いた。一方、南アフリカの与党アフリカ民族会議(ANC)党大会で、ズマ大統領の後任の党首にラマポーザ副大統領が選出されるとの思惑が高まったことを受けて、南ア・ランドは主要通貨に対して上昇。
(4)米国の税制改革法案が成立する公算が高まったことで、米国の財政赤字の拡大などが改めて意識され、ドルは主要通貨に対してやや軟調な動きとなった。下げ一巡後は、米国債利回りの上昇もあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、南ア与党の党首選で、経済立て直しへの期待が高いラマポーザ副大統領が勝利し、次期大統領に就任することが確実となったこと受けて、ランドは一段の上昇となった。特に、対円では3/21以来の高値を付けた。
本日のトピックス
東京市場では、昨日の海外市場で大きく動きが出た南ア・ランドの動きに注目したい。ランドは、南アの与党党大会(新党首選挙)の思惑や結果を受けて大きく動きが出たが、次期態勢が固まったことから、落ち着いた動きになると考えられる。当面は、格下げの可能性が遠のいたとの見方から、底固い動きも考えられる。ただ、利益確定の動きも予想されており、目先の動きに注目したい。
米国市場では、米住宅関連の主要な経済指標の発表や、税制改革法案の下院採決が行われることから、結果には注目したい。また、今週末につなぎ予算が再び期限を迎えることから、関連する報道などにも注目したい。
12/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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124.8万件 | 129.0万件 |
前回は、市場予想を上回り、2016年10月以来の高水準となった。ハリケーンの被害を受けた南部での復興需要が押し上げ要因となった。今回は、前回の反動でやや低下が予想されているものの、着工件数の先行指標となる建設許可件数もここ数ヵ月大きく低下していないことから、大きな低下にはつながらないと考えられる。 |