前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場でドル高・円安が進んだ流れが一服し、円買い戻しの動きが先行した。また、日経平均株価が序盤から下落したことも影響した。しかし、その後株価が一時プラス圏まで上昇したことや、日銀の金融緩和政策の継続姿勢が示されたことから、円売りが優勢となった。
海外市場では、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなり、特に米国の経済指標が冴えない結果となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調となった。その後は、引けにかけて株価が上げ幅を縮小したことや、米国債利回りの低下を受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場で円売りが続いた反動から、序盤はやや円買いの動きが先行した。また、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大する動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)日経平均株価が下げ幅を縮小し、午後には一時プラス圏まで上昇したことから、ドル円・クロス円は一転して堅調な動きとなった。また、日銀が金融政策の現状維持を決定したことや、会見での黒田総裁の発言内容を受けて、大規模緩和政策は当面維持されるとの見方が広がり、円売りが優勢となった。
(3)円売り一巡後は、利益確定の動きなども見られ、やや上値の重い動きとなった。また、欧州主要株価が軟調な展開で始まったことも影響した。米国市場では、GDP確報値が下方修正されたことや、雇用関連の経済指標が市場予想より悪化したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。そして、終盤には株価が上げ幅縮小を加速させたことや、米国債利回りの低下を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、昨日の日銀の金融政策決定会合が終了したことで、今週の主要なイベントが終了したことから、積極的な売買も手控えられ、限定的な動きが続く可能性が考えられる。ただ、スペイン・カタルーニャ自治州の議会選挙の結果を受けて思惑が交錯する場合には、ユーロを中心に動きが出る可能性もあるだろう。
米国市場では、米国の税制改革案が議会で可決されたことで、トランプ大統領の署名を残すだけとなっており、署名がされた場合でも大きな動きにはつながらないだろう。ただ、主要な経済指標の発表が予定されており、特にFRBが物価の目安とする米PCEコア・デフレーターの結果には注目したい。週末で、クリスマス休暇の連休に入ることから、午後には市場参加者が少なくなる可能性もあり、小動きの展開が予想される。
12/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月PCEコア・デフレーター(前月比) |
0.1% | 0.2% |
前回は、市場の予想通りの上昇となり、1月以来の高い伸びとなった。また、前年比でも2ヵ月連続の上昇となり、物価は着実に回復に向かっていることが示された。今回は、前月比で前回からの低下が予想されているが、前年比では伸び幅が拡大すると予想されている。特に、FRBが物価の目安とする指標であることから、結果を受けて来年の利上げペースの思惑が交錯する可能性も考えられる。 | ||||
22:30 | 米国 |
11月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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2.0% | -0.8% |
前回は、市場予想をやや上回ったものの、3ヵ月ぶりのマイナスに落ち込んだ。特に、大幅な伸びが続いていた航空機の受注が大きくマイナスとなったことが全体を引き下げた。ただ、変動の大きい輸送機器を除いた指数も低下したものの、比較的高い水準を維持した。今回は、反動が予想されているが、輸送機器を除いた指数の結果にも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、日足ベースの一目均衡表において、雲上限を上抜けるかどうかがポイントとなっている。前回は、上放れずに一旦失速となっており、ここから完全に上抜けるのか、雲上限に沿って上値の重い動きとなるのか注目したい。 雲を完全に上抜けて上放れる場合には、114.73が次の上値のポイントとなる。そして、114.73も上抜ける場合には、一目均衡表の上値目標の計算値である114.94がポイントとなる。一方、失速する場合の下値のポイントは112.03、ここを下抜ける場合には、雲下限ラインや111.91(一目均衡表の下値目標の計算値)がポイントとなるだろう。
気まぐれ投資コラム
クリスマス休暇明けにドル/円は動くか?
※出所:価格データをもとにSBILMが作成
マーケットでは、クリスマス休暇が終了すると、そのまま年末年始休暇を取るトレーダーも多く、また企業(実需やヘッジファンド)の参入も少なくなることから薄商いとなり、狭いレンジ内の動きになることが多いです。表は、過去10年間のクリスマス休暇後から年末までのドル/円の変動幅をグラフ化したものです。
営業日では、4営業日から5営業日の変動幅であることから、それ程動きが出ているように見えませんが、レンジ内での動きが比較的活発です。過去10年間のクリスマス休暇後から年末までの1日の変動幅の平均は0.72円となり、1円以上の動きが出るケースも30%近くあります。
昨年は、クリスマス休暇後の5営業日の内、1円以上の動きが出たのは2営業日でした。今年は、12月に入ってからの変動幅が1.8円(21日まで)と例年の変動幅に比べると小動きになっています(2014年は6.3円幅、2015年は3.4円幅、2016年は5.8円幅)。それだけに、年末にかけて盛り上がりが見られるのか、それともこのまま小動きの展開が続くのか注目です。