前営業日トピックス
休場明けの東京市場では、序盤から日経平均株価が上昇したことなどを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、ドルは前日の海外市場から上昇が続いたこともあり、上昇一服後は主要通貨に対して反落する場面もあった。
米国市場では、米雇用関連の経済指標が堅調な結果となったことや、米ダウ平均株価が初めて25000ドル台乗せとなったことが好感され、投資家のリスク志向が強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、週末に米雇用統計の発表を控えていることもあり、その後は終盤までやや上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日のニューヨーク市場では、好調な米製造業・建設指標に加え、FOMC議事録で年内の利上げペースに楽観的な方向性が見えたことが材料視された流れを引き継ぎ、序盤からドル買いが先行した。また、日経平均が序盤から大きく上昇したことで、投資家のリスク志向を押し上げ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)ドル/円は、前日から上昇が続いたこともあり、一服感からやや反落となった。ただ、日経平均株価の上昇が続いたことに加え、フィリピンやタイの主要株価指数が連日の史上最高値更新、ベトナム主要株価が10年ぶりの高値となるなど、年始から連騰が目立つアジア株も好感され、クロス円は底固い動きが続いた。なお、日経平均株価は前営業日から700円以上の上昇となり、1992年1月以来26年ぶりの高値をつけた。
(3)欧州主要株価が堅調となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。そして、米ADP雇用統計が予想を上回り、過去9ヵ月間で最大の伸びとなったことを受けて、ドル買いが優勢となった。また、米国債利回りの上昇も加わりドル買い・円売りが加速し、クロス円も堅調な動きとなった。
(4)上げ一服後は、週末の米雇用統計の発表を控えて様子見ムードも出ており、終盤までやや限定的な動きが続いた。また、米北東部での暴風雪の影響で、午後の取引が低調となったことも影響した。
本日のトピックス
東京市場では、新規材料に乏しいものの、前日に日経平均株価が26年ぶりの高値をつけるなど、大幅高となったことから、ここから一旦調整となるのか、引き続き堅調な動きが続くのか注目したい。
一方、米国市場では、米雇用統計の発表が予定されており、前日に発表されたADP雇用統計などが良好な結果となったことから、予想以上の結果を期待する向きもある。そして、3月のFOMCでの利上げの有無を左右するとの見方もあり、結果が注目される。(米金利先物市場では、良好な指標結果を受けて3月のFOMCでの利上げ予想確率が昨年末の67%から83%まで上昇している)また、平均時給の注目度も高まっており、市場予想を上回る場合には、利上げペースに対する楽観的な見方が強まり、ドルの押し上げ要因となる可能性もあるだろう。
1/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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+19.0万人 | +22.8万人 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、2ヵ月連続で+20万人を上回った。大型ハリケーン襲来の影響で一時伸び幅が低下したものの、完全に払拭できたことが示された。今回は、+20万人を下回る伸びが予想されているが、先に発表されたADP雇用統計で伸び幅が予想を上回る結果となったことや、年末商戦が好調で、サービス業を中心に雇用者数が伸びている可能性もあることから、予想以上の結果となる可能性もある。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月平均時給(前年比) |
2.5% | 2.5% |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、2015年8月以来の低い伸びとなった10月からは若干改善した。今回は、前回と変わらない伸びが予想されているが、2017年11月までの年間の平均が2.6%であることから、平均以上の伸びとなれば、インパクトも大きくなるだろう。ただ、予想通りなら、やや懸念が残るだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、昨年4月以降107円台から114円台でのレンジ内の動きが続いている。当面は、このレンジをどちらに抜けて、方向性が出るのか注目したい。
週足ベースの一目均衡表では、雲上限ライン近辺で底固い動きが続いており、ここが目先の下値抵抗となっている。引き続き雲上限に沿って動く可能性も考えられるが、ここを下抜ける場合には、基準線が次の下値のポイントとなる。ここは、11月にもサポートされたポイントであり、重要な下値のポイントと考えられる。この基準線は、2月最終週まで111.03での横ばいが続く。そして、基準線を下抜ける場合には、雲下限ライン、重要サポートと位置づけられる107.32がポイントとなるだろう。上値のポイントは(1)114.73 (2)115.50 (3)118.67 と考えられる。
気まぐれ投資コラム
ドル/円の長期サイクルは?
ドル/円は、長期的チャートで16.5年サイクルを見ることができる。この16.5年サイクルの中には、3つの5.5年サイクルが存在する。直近では、2011年11月にボトムを付けて、新たな16.5年サイクルが始まったと考えられる。そして、16.5年サイクル上の高値は、最初の5.5年サイクル内に付けるパターンであることから、2015年6月に付けた125.86が現行の16.5年サイクルの高値であると考えられる。
そして、最初の5.5年サイクルで付けた高値は、その後上抜けないというパターンであることから、現行の16.5年サイクルの高値である125.86を今後上抜けないと考えられる。しかし、上抜けるようなら、16.5年サイクルの下げトレンドは崩れ、その場合149.53を目指す展開も予測できる。なお、次の5.5年サイクルのボトムは2021年12月(±10ヵ月)、また、16.5年サイクルの最終ボトムは2028年5月(±6ヵ月)と予測できる。
一方、トップサイクル(16.5年サイクルの最初5.5年サイクルのトップと最後の5.5年サイクルのトップ)では、8.0年サイクルとなっており、現行の16.5年サイクル上の最後の5.5年サイクルの高値は2023年6月(±6ヵ月)と予測できる。
※出所:Bloomberg 週足