前営業日トピックス
東京市場では、コーン米国家経済会議委員長の辞任報道を受けて、トランプ大統領の保護主義政策が強まるとの懸念から、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、新規材料に乏しいことや、様子見ムードの高まりから、小動きの展開が続いた。
米国市場では、雇用関連の経済指標が良好な結果となったことを受けて、ドルが買われた。また、大きく下落していた米主要株価が下げ幅を縮小したことや、値頃感の買いも入り、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)コーン米国家経済会議(NEC)委員長の辞任の報道を受けて、ドル円・クロス円が下落。米税制改革法案の議会通過に尽力したと言われている人物であることから、今後の貿易戦争への警戒感が高まり、リスク回避の動きが強まった。
(2)その後は、値を戻したものの、トランプ米大統領の通商政策の詳細を見極めたいとの思惑や、米国の主要な経済指標の発表を控えて様子見ムードも出ており、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。
(3)米ADP雇用統計が予想を上回る結果となったことから、ドルが買われたものの、貿易赤字の拡大が発表されたことから、反落する場面もあった。しかし、値頃感の買いや、米国債利回りの上昇、またベージュブック(地区連銀経済報告)で、米景気の堅調な拡大傾向を示されたこと受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
欧州では、ECB理事会の結果発表とドラギECB総裁の定例会見が予定されている。政策の現状維持がコンセンサスとなっているが、会見での総裁の発言に注意したい。特に、ユーロ圏の消費者物価指数が1年2ヵ月ぶりの低水準となったことで、ECBが緩和策の縮小に慎重になる可能性も考えられる。そのため、ドラギ総裁の会見の内容次第では、ユーロ相場が大きく反応する可能性もあり、警戒が必要だろう。
米国市場では、米国の経済指標の発表が予定されているものの、トランプ米大統領が鉄鋼・アルミ関税に関する計画を日本時間9日午前5時半に発表・署名予定となっていることから、やや様子見ムードが強まる可能性が考えられる。ただ、TPP署名式などもあり、貿易や関税に関する思惑が交錯する可能性も考えられることから注意したい。
3/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:45 | 欧州 |
ECB理事会 |
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政策金利など、政策の現状維持が予想されており、発表を受けた反応は限定的と考えられる。ただ、その後に予定されているドラギECB総裁の定例会見(22:30頃)に注目。特に、ECBの緩和策の縮小に関する発言に注目したい。 |