前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、やや軟調な展開で始まった。日経平均株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は一段の下落となったものの、その後株価がプラス圏まで反発したことから堅調な動きとなった。ただ、複合的な地政学リスクが意識されており、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、シリア情勢を巡る緊張がやや後退し、投資家のリスク回避の動きが和らいだことから、相対的に安全な通貨とされる円を売る動きが優勢となった。その後は、今後の展開を見極めたいとの思惑もあり、やや限定的な動きとなった。また、トランプ米大統領がTPPへの米国復帰の可能性を指摘したとの報道もあった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国によるシリアへの軍事攻撃の懸念が高まったことを受けて、リスク回避の動きが意識され、比較的安全資産とされる円を買う動きが先行した。
(2)下落して始まった日経平均株価がプラス圏に上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったが、株価が再びマイナス圏に下落したことから、上値の重い動きとなった。その後、底固い動きが続いたものの、シリア情勢の緊迫化が警戒され、上値の重い動きとなった。
(3)トランプ大統領がシリア攻撃に関して、「すぐかもかもしれないし、すぐではないかもしれない」と述べ、攻撃が差し迫っていないことを示唆した。また、ロシア指導部も冷静な対応を促したとの報道を受けて、シリア情勢を巡る米国とロシアの対立が緩和したとの見方から、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、ECB理事会の議事録で、政策担当者がユーロ高によるマイナスの影響に対する懸念を表明したことが明らかとなり、ユーロはドルなどに対して軟調な動きとなった。
(4)トランプ米大統領が、TPP(環太平洋連携協定)に米国が復帰する可能性を模索すると議員らに話したと報道されたが、相場への影響は限定的だった。
本日のトピックス
要人発言などにより、シリア情勢を巡る緊張が後退し、リスク回避の動きが一旦和らいだが、今後の展開を見極めたいところである。米中貿易摩擦、シリア情勢などの緊張が後退したことから、ここからは経済や株価の動きが主要材料となるだろう。
米国市場では、雇用関連や消費者関連の経済指標の発表が予定されており、ともに前回からの低下が予想されている。ただ、前回が大きく上昇となった反動であることや、低下しても依然として高水準が維持するであろうと見られいることから、影響は限定的だろう。ただ、予想以上に大きく低下となる場合には、多少影響が出る可能性もあるだろう。
4/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
2月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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606.5万件 | 631.2万件 |
前回は、市場予想に反して大幅増加となり、過去最高となった。また、民間で雇用された労働者が増加し、自発的離職者は減少した。今回は、大幅増加からの反動で減少が予想されているが、依然として過去最高水準で推移していることもあり、大きな懸念にはならないだろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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100.5 | 101.4 |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、2004年以来の高水準となった。現況指数は大きく上昇したものの、期待指数は低下した。今回は、前回からの低下が予想されているが、100の大台を維持できるかどうか注目したい。 |