前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の堅調な流れが一服し、序盤から小動きの展開が続いた。米中の貿易摩擦や北朝鮮問題の懸念を背景に、円が買い戻される場面もあったが、午後には日経平均株価が堅調な動きとなったこともあり、値を戻した。その後、米長期金利の上昇を受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が比較的良好な結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。特に、ドル/円は一時110.86まで上昇し、1/23以来の高値を付けた。その後、株価が下落に転じたことなどが若干影響したものの、ドル円・クロス円は底固い動きとなった
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場で米長期金利の上昇が続いたことから、今後の動きを見極めたいとの思惑もあり、序盤から小動きの展開となった。豪州雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を上回ったものの、失業率が悪化するなど、まちまちの結果となったことから、豪ドル買いの勢いは続かなかった。
(2)米長期金利がやや低下したことや、米中の貿易摩擦、北朝鮮問題の懸念が改めて材料視され、比較的安全な資産とされる円が買い戻された。午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大したことや、米長期金利が2011年7月以来の3.11%まで上昇したことも加わり、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)失業保険申請件数は市場予想を上回ったが、失業保険受給者総数が1973/12/1までの週以来の低水準となったこと、フィラデルフィア連銀製造業景況指数が大幅上昇となり、1年ぶりの高水準となったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。一方、ユーロはイタリア次期政権を巡る不透明感を背景に上値の重い動きとなり、ポンドは英国とEUとの関税同盟を巡って相反する報道を受けて不安定な値動きとなった。
(4)米主要株価が下落に転じ、下げ幅を拡大したことや、トランプ米大統領が北朝鮮に関することや、米中貿易に関する発言をしたことを受けて、今後の情勢を見極めたいとの思惑もあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
ドル円・クロス円は堅調な動きとなっており、特にドル/円が111円台乗せとなるのか、その場合111円台を維持できるのか注目したい。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がないものの、FRB理事や複数の米地区連銀総裁の講演での発言が予定されており、金融政策に関する発言に注目したい。また、米中通商協議が18日も継続することが発表されているが、昨日トランプ米大統領が「中国との貿易交渉は、成功しないかもしれない」と発言していることから、関連する発表や報道などには敏感に反応する可能性もあり、注意したい。