前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、序盤から小動きの展開となった。ただ、トルコリラは、トルコの政治・金融問題を背景に急落となった。その後、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、米長期金利の低下を受けて、ドル売り・円買いが優勢となった。また、6月に予定されている米朝首脳会談に関して、トランプ米大統領が延期する可能性に言及したことで、米朝関係への懸念が改めて意識されたことも影響し、投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産とされる円を買う動きが広がった。
海外市場では、下落が続いた流れが一服し、堅調な動きとなった。ドルは比較的堅調な動きとなったものの、ユーロはユーロ圏の経済指標が低下したことなどが影響し、上値の重い動きが続いた。また、欧米の主要株価が下落したことも影響した。そして、FOMC議事録の内容を受けて利上げペースを加速させないとの見方が広がり、ドルは引けにかけて上値の重い動きが続いた。一方、米主要株価はプラス圏まで反発した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)朝方からトルコリラが大きく下落し、新興国通貨、資源国通貨に若干影響が出たものの、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。投機筋が売りを仕掛けとの見方もあり、背景にはトルコのエルドアン大統領が金融政策への影響力を強める構えを示したことに関して、前日に格付け会社が警戒感を示したことが影響していると考えられる。
(2)日経平均が下げ幅を拡大したことや、米長期金利が再び低下したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。6月に予定されている米朝首脳会談に関して、トランプ米大統領が延期する可能性に言及したことで米朝関係への懸念が改めて意識され、リスク回避の動きから安全資産とされる円を買う動きが広がった。
(3)アジア市場から下落が続いた流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きが続いた。注目されたFOMC議事録では、追加利上げを急がないことが示唆されるなど、慎重な姿勢が見られたことから、米国の利上げペースの加速が後退したとの見方が広がり、ドルは軟調な動きとなった。一方、ユーロ圏の経済指標が冴えない結果となったことや、イタリアの政治的懸念を背景に、ユーロは上値の重い動きが続いた。また、トルコ中銀は、トルコリラの急落を受けて臨時の政策会合を開催し、後期流動性ウィンドウ金利を3ポイント引き上げて16.5%にしたことを受けて、アジア市場から下落が続いたトルコリラは急反発となった。
本日のトピックス
欧州市場では、4/26分ECB理事会の議事要旨が公表される。理事会後の会見でドラギECB総裁が、ユーロ圏経済の成長持続に自信を示したものの、最近の景気減速について判断する必要があると発言したことを受けて、QE終了に関する判断が先送りされるとの見方が広がったことから、議論の内容が注目される。
米国市場では、住宅関連の経済指標の発表や、複数の米金融当局者の発言が予定されており、結果や発言内容が注目される。また、5/25までに北朝鮮が核実験場を廃棄する方針を示していたが、関連する報道などにも注目したい。
5/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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555万件 | 560万件 |
前回は、市場予想を上回り、2ヵ月連続の増加となった。一戸建て住宅、集合住宅がともに増加したことが影響した。今回は、前回から若干の低下が予想されているが、過去1年間の平均が551万件であることから、予想通りの低下となっても懸念要因にはならないだろう。 |