前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。欧米の株価上昇を受けて、日経平均株価も堅調な動きとなり、投資家のリスクを取る姿勢が強まった。上昇一服後は上値の重い動きとなったものの、下値は限定的だった。そして、欧米の株価が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円も堅調となった。しかし、米中貿易問題に対する懸念が燻っていることから、ドルは上値の重い動きが続いた。一方、ユーロは、ユーロ圏、ドイツ、フランスの経済指標が冴えない結果となったことが影響し、NY市場序盤まで軟調な動きが続いたが、欧米の株価上昇を受けて、その後上昇に転じた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場で主要株価が堅調な動きとなったことを受けて、日経平均株価も序盤から上昇となり、東京市場でも投資家のリスク選好の動きが強まった。そして、商業決済が集中しやすい五・十日であり、仲値公示にかけては輸入企業のドル買い・円売りが優勢となった。
(2)ドルがポンドやユーロなどの主要通貨に対して上昇したことから、円に対しても堅調な動きとなり、ドル/円は一時5/21以来の高値を付けた。ただ、上昇一巡後は、利益確定のドル売り・円買いも入り、上値の重い動きとなった。一方、ユーロは対ドルで軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きが続いた。
(3)欧米の株価が堅調な動きとなったことから、投資家のリスク志向が一段と強まり、比較的安全な通貨とされる円を売る動きが優勢となった。しかし、ユーロ圏、ドイツの景気期待指数が悪化したことが影響し、ユーロは軟調な動きが続いた。
(4)米決算が本格化するのを控えて、好業績への期待感から主要株価は堅調な動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、米JOLT求人件数がまずまずの結果となったものの、反応は限定的となり、特に米国の通商問題に対する懸念が燻っていることから、ドルは上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
NY市場の引け後、東京時間の朝方「米当局が2000億ドル相当の対中関税リストを公表の方向」との関係者の発言が報道され、これを受けてドル円・クロス円は軟調な動きとなった。週明けからここまで米中通商問題に関しては、目立った発言や報道などもなく、落ち着いた動きとなっていたことから、ややインパクトの大きな反応となった。そして、これに対する中国当局の反応が注目される。対抗的な案が示される場合には、貿易戦争への懸念からリスク回避の動きが高まる可能性もあるだろう。しかし、交渉の余地が残されており、最終決定が8月末と指摘されていることから、それほど大きな下げには繋がらず、下げが一服するようなら、値を戻す場面も考えられる。引き続き関連する報道や要人発言に注目したい。
7/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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0.2% | 0.5% |
前回は、市場予想を上回る伸びとなった。燃料コストが3年ぶりの大幅上昇となったことが影響した。また、前年比では、2011年12月以来の高水準となった。今回は、前回から伸び幅が縮小すると予想されている。特に、月平均の原油価格が5月に比べて3ドル以上下落していることもあり、一部では、市場予想を下回る伸びとなるとの見方もある。 |