前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は軟調な展開で始まった。日銀の金融政策の修正観測が出ていることで、日本の長期金利が1年ぶりの高水準を付けたことや、日経平均などアジアの主要株価が軟調な動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は軟調となった。特に、ドル/円は、一時110.58円まで下落し、7/9以来2週間半ぶりの安値をつけた。
米国市場では、米国とEUの貿易摩擦緩和への期待に加え、4-6月期の米GDPが好調な内容になると期待感からドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となった。一方、ECBが少なくとも2019年の夏の終わりまで政策金利を据え置くことをあらためて表明したことを受けて、ユーロは軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日銀が来週の金融政策決定会合で年6兆円買っているETF(上場投資信託)の購入配分の見直しを検討するとの米国時間の報道が引き続き影響し、序盤から円買いが先行した。
(2)仲値公示近辺では、実需のドル買い・円売りが見られ、ドル/円は上昇する場面もあった。しかし、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏に反落するなどアジア株が全般的に軟調な動きとなったことに加え、日銀の金融政策の修正観測が出ていることが影響し、日本の10年債利回りが一時0.100%と昨年7/7以来の高水準を付けたことから、円買いが優勢となった。
(3)値頃感の買い戻しに加え、欧州市場に入り、米国とEUの貿易摩擦緩和への期待が改めて材料視され、堅調な動きとなった。
(4)米GDP発表を控えて、6月の耐久財受注でコア資本財の受注が3ヵ月連続で増加したことで期待感が高まったことから、ドルは堅調な動きとなった。さらに、ライトハイザー米通商代表部代表がNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉に関し、「最終的な詰めの段階にあると期待する」と述べたこともドル買いを下支えた。また、米長期金利が上昇し、日米の金利差拡大観測が意識されたこともドルの押し上げ要因となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続いた。一方、ECBが少なくとも2019年の夏の終わりまで政策金利を据え置くことをあらためて表明したことを受けて、ユーロは軟調な動きが続いた。また、EU離脱後の関税同盟を巡る英国の提案の主要項目をEUが拒否したことが嫌気され、ポンドも下落した。
本日のトピックス
来週の日銀の金融政策決定会合で、長期金利の誘導幅やETFの購入配分が見直されるとの観測から、昨日の日本時間では円を買ってドルを売る動きが見られた。特に、日本の長期金利の動きが影響したことから、本日も長期金利に注目したい。ただ、マーケットでは、米GDPの発表に注目がシフトしており、大きな動きにはつながらないだろう。そして、第2四半期の米GDP速報値だが、トランプ大統領が高い伸びを期待しているとの報道が続いたことから、特に注目が集まっている。そして、注目が高くなっていることから、結果を受けて(良い結果でも、悪い結果でも)ドルが大きく動く可能性があるだろう。
7/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
第2四半期GDP速報値(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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4.2% | 2.0% |
1Q確定値は、個人消費のサービス部門などが下方修正されたことが影響し、改定値の2.2%から下方修正された。今回の2Q速報値は、高い伸びが予想されており、予想通りなら2017年9月以来の高い伸びとなる。また、米大統領が高い伸びを期待する発言などもあり、通常以上に注目が高まっている。 |