前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しいことや、9日からワシントンで始まる日米通商協議を控えて様子見ムードが出ていたことに加え、円高リスクが意識されたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。また、ポンドは海外市場から下落が続いており、一時6/28日以来の安値をつける動きとなった。そして、日米通商協議を控えてドルは上値の重い動きが続いたものの、日経平均が上昇したことに加え、香港株、中国株が大幅上昇となったことが影響し、クロス円は堅調な動きとなった。 海外市場では、米国が対イラン制裁の一部を再発動したことを受けて投資家のリスク回避の動きが強まり、相対的に安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。ドル/円は、NYタイム序盤に111.00まで下落する動きとなった。その後は、米主要株価が堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したこともあり、終盤にかけて堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)9日からワシントンで始まる日米通商協議を控えた警戒感からポジションを取り難いとの指摘もあり、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きが続いた。また、朝方、米国との外交的な対立を巡る懸念が強まったことから、トルコ・リラが一段の下落となり、トルコ・リラ/円20.68まで下落した。ただ、トルコ代表団がワシントン訪問との報道を受けて、反発となった。一方、英国はハードブレグジットの可能性があるとの懸念から、英ポンドの売りが続いており、ポンド/円は144.01まで下落し、6/28以来の安値を付けた。
(2)日本や中国の株式市場が堅調だったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。また、ワシントンでの日米通商協議を控えて様子見ムードもあり、小動きの展開が続いた。
(3)ワシントンでの日米通商協議を控えて、円高リスクが意識されたことや、米国が対イラン制裁の一部を再発動したのを受けて投資家がリスク回避姿勢を強めたことから、相対的に安全な資産とされる円を買ってドルを売る動きが優勢となり、ドル円・クロス円は米国市場序盤まで軟調な動きとなった。
(4)ドル/円は、安値圏では値頃感の買い戻しが見られた。また、好調な企業決算を背景に米主要株価が堅調な動きとなったことや、米長期金利の上昇が続いたこともあり、ドル円・クロス円は終盤にかけて堅調な動きとなった。一方、米国の3年物国債の入札は精彩を欠く内容だったことから、相場を圧迫(利回りは上昇)した。
本日のトピックス
米国との関係が悪化しているトルコの代表団が対立に関して協議するため、ワシントンを訪問するとの報道があったが、依然として対立が懸念されている。また、米国とイランの対立は、直接的に為替市場への影響はまだ少ないものの、新規材料に乏しい中ではリスクが意識される可能性もあるだろう。 米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、9日から開催される日米通商協議(FFR)に対する思惑が交錯する可能性が考えられる。昨日の海外タイムにドル/円は111.00まで下落したが、その後反発したことで底固い動きが確認できたとの見方もある。日米通商協議に関しては、一部で円高リスクが意識されているものの、米景気の堅調さなどもあり、円高に振れても111.00近辺で底固い動きとなる可能性もあるだろう。 また、昨日から3日間米国債の入札が実施されるが、今回は規模が大きいことから注目されている。昨晩の3年債は340億ドルで8年ぶりの規模の大きさだったが、需要は低調となり、相場を圧迫(利回り上昇)した。本日は260億ドルの10年債、明日は180億ドルの30年債での入札が予定されており、いずれも過去最大となることから、結果が注目される。特に、今晩は米長期金利の指標となる10年債の入札だけに、入札結果発表前後のドルの動きに注目したい。