前営業日トピックス
東京市場では、日米貿易協議のリスクが警戒され、序盤から円買いが優勢となった。また、日経平均株価が下落したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。そして、英中銀が金融政策発表で利上げを急がない姿勢を示したことや、EU離脱に関する懸念が引き続き材料視され、ポンドは主要通貨に対して下落した。その後、中国株が2%以上の上昇となったことなどを受けて、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、米新規失業保険申請件数は良好な結果となったものの、米長期金利の低下を背景にドル売り・円買い優勢となった。ただ、日米通商協議の結果を見極めたいとの思惑から底固い動きとなった。その後、トルコ・リラなどの新興国通貨の下落を受けて、リスク回避の動きからドルやスイス・フランが買われる動きとなり、ドルは大半の主要通貨に対して上昇した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日米新貿易協議(FFR)を控えた警戒感からドル売り・円買いが先行した。また、日経平均株価が下落したことも影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、英ポンドはハードブレグジットの可能性が高まっているとの懸念が引き続き材料視され、主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(2)中国の消費者物価指数が市場予想を上回ったが、反応は限定的だった。ただ、中国株が堅調な動きとなったことが影響し、安全通貨とされる円が売られる動きとなった。
(3)米新規失業保険申請件数は良好な結果となったものの、生産者物価指数は予想を下回ったことが影響して米長期金利が低下、これを受けてドル売り・円買いが優勢となった。ただ、日米通商協議の結果を見極めたいとの様子見ムードも出ており、下値は限定的となった。英ポンドは、英国ハードブレグジットの可能性が引き続き意識され、主要通貨に対して軟調な動きとなり、特に対ドルでは2017年8月25日以来の安値を付ける動きとなった。
(4)アルゼンチン・ペソとトルコ・リラが対ドルで下落となったことでリスク回避の動きが広がり、ドルやスイス・フランなどの逃避先通貨が買われた。ドルは大半の主要通貨に対して上昇した。
本日のトピックス
英国の金融政策発表の声明で利上げを急がないとしたことや、ハードブレグジットの可能性が高まっているとの懸念かを材料にポンド売りが続いている。そして、本日の欧州タイムでは英国の4-6月期GDPの発表が予定されている。冴えない結果となるようなら、ポンド売りが加速する可能性も考えられる。一方、良好な結果が出た場合でも、EU離脱問題も燻っていることから反応は限定的だろう。 米国市場では、消費者物価指数の発表が予定されているが、前日の生産者物価指数の結果が冴えない結果となり、米長期金利の低下につながったことから、結果とマーケットへの影響に注目したい。そして、2日目の日米通商協議が予定されており、初日の協議内容が報道されていなかったことから、内容次第では反応が大きくなる可能性も考えられる。
8/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.2% | 0.1% |
前回は、市場予想を下回る結果となり、前月からも低下した。エネルギーが低下したことが影響した。ただ、前年比では、2012年1月以来の高い伸びとなった。今回は、前月比で前回から伸び幅が拡大すると予想されており、前年比では前回と変わらない伸び幅が予想されているが3%台の大台乗せとなるのかにも注目したい。 |