前営業日トピックス
東京市場では、週明けで新規材料に乏しい中、トルコ情勢を巡る不透明感などを背景に、リスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は序盤からやや軟調な動きとなった。その後は、今週のイベントを控えて様子見ムードが強まる中、ドルが主要通貨に対して堅調な動きとなったものの、やや上値は限定的となった。
米国市場では、トランプ米大統領がインタビューでFRBの利上げに不満を示したことや、米中通商交渉に関して進展をあまり期待していないと発言したこと、さらには中国と欧州は為替を操作しているなどと述べたことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。また、米10年債利回りが6週ぶりの低水準となったこともドルの圧迫要因となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けで新規材料に乏しい中、トルコ情勢を巡る不透明感や中国の景気減速への懸念を背景に、序盤から比較的安全な通貨とされる円が買われた。
(2)お盆休み明けの五・十日であることから、仲値公示にかけてはドル買い・円売りも見られた。その後は、米国の対中追加関税の発動や、米中次官級通商協議、ジャクソンホールの経済シンポジウムなどを控え、様子見ムードが広がっており、全般的に小動きの展開が続いた。一方、トルコの米大使館に向けて何者かが発砲したとの報道があったが、マーケットへの反応は限定的となった。
(3)米国市場では、主要な経済指標の発表がなくやや新規材料に乏しい中、トルコ情勢に対する警戒感に加え、米長期債利回りが低下したことから、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。しかし、米株価が堅調な動きとなったこともあり、底固い動きも見られた。
(4)トランプ米大統領がパウエルFRB議長率いる金融当局の利上げに不満を漏らしたとの報道や、年内あと2回の利上げとの見方が多い中、アトランタ連銀総裁が年内あと1回の利上げを支持すると再度表明したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、中国と欧州が為替を操作していると発言したことや、米中通商交渉に関して具体的な進展をあまり期待していないと発言したことも、ドルの圧迫要因となった。
本日のトピックス
週半ばから後半にかけて、米国が対中追加関税を発動、及び中国の報復関税が予定されていることや、米中次官級通商協議、ジャクソンホールの経済シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演などを控え、様子見ムードが広がっていた。その中で、トランプ米大統領が米中通商交渉に関して具体的な進展をあまり期待していないと発言したことや、FRBの利上げに不満を示したことから、マーケットの期待感(通商問題の進展、年内2回の利上げ)が後退した。確かに、今回の通商協議に関しては、次官級の協議であり、問題解決というよりは、11月の米中首脳会議の下地作りとの見方の方が大きかった。一連の発言があったことから、米中通商協議の内容や、批判されたパウエルFRB議長の講演での発言の注目度が高まったと考えられる。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないことや、注目されるイベントを控えていることもあり、積極的には動き難くいだろう。特に、前日のトランプ大統領の発言もあり、やや方向性の掴みに難い展開となる可能性もあるだろう。110円台割れとなり、底固い動きが見られるものの、チャートの形状を受けた思惑もあることから、ドルの下振れには警戒したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の雲を下抜けたことから、三役逆転(基準線・転換線のクロス、遅行スパンが価格帯を下抜け、価格の雲下抜け)の売りシグナルとなり、一段の下げとなっている。また、オシレーターのMACDでは、両線がゼロポイントを下抜けて下げ継続のシグナルを示しており、両線の乖離幅も拡大傾向となっている。引き続き乖離幅の拡大が継続するのかが注目され、特に縮小に転じるタイミングに注目したい。
当面の下値のポイントは、108.11から113.17までの上昇の61.8%押しである110.04を下抜けていることから、重要なレジスタンスの109.37となる。一方、上値のポイントは、雲下限ライン(21日は110.516、22日が110.523、23日以降は110.64)となる。