前営業日トピックス
東京市場では、米国とメキシコの貿易協定の合意を受けて米株価が上昇し、その流れを受けて日経平均株価が上昇して始まり、投資家のリスク志向の動きからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後に入り、日経平均株価の上げ幅縮小が続き、結局小幅安で終了となったことから、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。特に、ドルは貿易や為替操作を巡る米当局者の発言が材料視されており、米国市場序盤まで上値の重い動きが続いた。しかし、米消費者信頼感指数が2000年10月以来17年10ヵ月ぶりの高水準となったことで、米景気に対する楽観が広がったことから、投資家のリスク回避の動きが和らぎ、ドル買い・円売りが優勢となった。
米株式市場では、主要株価は小幅続伸となり、特にハイテク株中心のナスダックとS&P500はともに3営業日連続で過去最高を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を巡り、米国とメキシコが2国間協議で合意したことから、貿易摩擦への懸念が後退。主要通貨に対してドルが売られた半面、投資リスク回避のため買っていた円を売る動きもあり、ドル/円は底固い動きとなった。また、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時23000円台の大台乗せとなったこともドル円・クロス円を押し上げる要因となった。
(2)日経平均株価は、序盤に一時23000円台乗せとなったものの、その後は上げ幅を縮小する動きが続き、また米長期金利の低下も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)月末を控えたポジション調整の動きに加え、貿易や為替操作を巡る米当局者の発言が材料視されており、ドルは序盤上値の重い動きが続いた。一方、イタリア財務相が、EUの財政赤字制限を違反する計画はないと言明し、先のイタリア副首相の発言を否定したことを受けて、ユーロは対ドルで7/31以来の高値を付けた。また、メイ英首相がEUを合意が成立しないまま離脱せざるを得なくなったとしても、EU離脱を成功させることは可能だと主張したことで、ポンドも堅調な動きとなった。
(4)米消費者信頼感指数が2000年10月以来17年10ヵ月ぶりの高水準となったことや、リッチモンド連銀製造業指数が予想を上回ったことを受けて、米景気に対する楽観的見方が広がったこと、またNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉で米国とメキシコが基本合意したことも加わり、投資家のリスク回避が和らいだことから、ドル買いが優勢となった。
本日のトピックス
米国の貿易問題に対する懸念が後退したことや、米経済指標の改善を受けて、ドルは小動きながら堅調な地合いとなっている。また、来月のFOMCでの利上げが確実視されていることも下支え要因となっている。ただ、マーケットでは、利上げはすでに織り込まれており、米経済に関しても今晩発表される米GDP次第であり、結果を見極めたいとの見方からレンジ内の動きが続く可能性も考えられる。また、引き続き欧州タイム入り前後のトルコリラなどの急な動きには注意したい。
8/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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4.0% | 4.1% |
前回は、市場予想を上回り、2014年9月以来の高水準となった。今回の改定値では、若干下方修正されると予想されているが、4%を維持すると見込まれている。個人消費の伸びと共に、4%台の伸びを維持できるのか注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月中古住宅販売成約(前年比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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-2.5% | -4.0% |
前回は、市場予想を下回り、2ヵ月連続のマイナスとなった。住宅価格やローン金利の上昇が住宅市場を圧迫している。今回は、引き続きマイナスが予想されており、中古住宅市場の先行指標となることから、比較的反応も大きくなる可能性も考えられる。 |