前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な展開で始まった。また、中国の主要株価が下落して始まったことを受けて、日経平均株価が下げ幅を拡大し、600円以上の大幅下落となったことから、投資家のリスク回避の動きも強まり、相対的に安全な資産とされる円が買われた。
米国市場でも、主要株価が大幅下落となったことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。しかし、下げ一服後には、軒並み大幅下落となった米主要株価が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は引けにかけて堅調な動きとなった。 米株式市場では、ダウ平均株価が一時前日比548ドル安まで下落したが、その後は下げ幅を縮小して125ドル安で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックも一時2.7%安まで下落したが、0.4%安まで下げ幅を縮小した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は様子見ムードから小動きの展開で始まったが、日経平均株価が下落して始まったことから、円が買われた。その後、仲値公示にかけて実需のドル買いが見られ、やや値を戻した。
(2)動向が注目された中国株が下落して始まり、徐々に下げ幅を拡大したことから、日経平均も連れ安となり、一時570円以上の下落となった。これを受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。背景には、英国のEU離脱交渉やサウジアラビア情勢の先行き不透明感が意識された模様。さらに、欧州主要株価も軒並み下落して始まったことも影響した。
(3)米国市場でも主要株価が大幅下落となり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。また、米リッチモンド連銀製造業指数が予想外の大幅低下となったこともドルを圧迫する要因となった。一方、欧州委員会がイタリアの予算案を正式に拒否したことがユーロの圧迫要因となり、対円で9/10以来の安値を付けた。
(4)ダウ平均株価は、一時前日比548ドル安まで下落していたが、下げ幅を縮小したことや、低下していた米10年債利回りが3.11%から3.17%まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
昨日は、世界的に株価が大幅下落となったが、米国市場では終盤に下げ幅を大きく縮小した。本日のアジア市場や欧州市場でこの流れを受けて、株価下落が一服となるのか注目したい。また、米国市場での動きも注目される。現状のマーケットでは、サウジや米中貿易、英国のEU離脱、イタリア財政などの問題が複雑に絡み合っており、報道や要人発言などで状況や思惑が変化するなど、難しい局面である。そのため、株式市場をにらみながらの取引が中心となっており、為替市場では株価に敏感に反応する展開が続いていることから、各市場の株価の動きに引き続き注目したい。
そして、本日、南アフリカの9月消費者物価指数の発表が予定されている。マーケットでは、来月か来年1月に予定されている政策金利発表で利上げが決定される可能性があるとの見方が出ており、それを見極める上で結果が注目されている。また、南アの中期予算政策声明も予定されており、財政赤字拡大が見込まれているが、従来の見通しを踏襲する可能性が高く、やや楽観視されている。
米国市場では、新築住宅販売件数、米地区連銀経済報告が予定されており、冴えない結果が続く住宅市場に改善が見られるのか、またFOMCの資料となる地区連銀報告で利上げのペースに影響するような報告があるのかどうかにも注目が集まっている。
10/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
9月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
|
62.5万件 | 62.9万件 |
前回は、ほぼ市場予想の範囲内の結果となり、3?月ぶりのプラスとなった。今回は、前月から若干の低下が予想されているが、9月に上陸したハリケーンの影響を懸念する向きもあり、予想以上の減少となる可能性にも一応注意したい。 |