前営業日トピックス
東京市場では、報道各社による米国の中間選挙の開票速報を受けて思惑が交錯し、やや値動きの荒い動きが続いた。そして、上院と下院で『ねじれ』現象となるとの見方から、比較的安全な資産とされる円を買う動きが強まるなど、選挙情勢を受けて一喜一憂となった。
米国市場では、選挙情勢による動きが一服し、米株価が大幅上昇となったことに加え、米国債利回りが上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、ユーロやポンドは、対ドルで下げ幅を拡大したものの、欧米の株価上昇が下支え要因となり、対円では底固い動きとなった。米株式市場では、軒並み2%以上の上昇となり、ダウ平均株価は10/9以来約1ヵ月ぶりに 26000ドルを回復した。また、ハイテク株中心のナスダックは2.6%以上の上昇となり、3週間ぶりの高値水準となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米中間選挙の開票を控えて序盤から小動きの展開となった。そして、開票序盤では、上院・下院で民主党が優位との報道を受けて、ドル売り・円買いが先行した。ドル/円は112.98まで下落したものの、112円台では輸入企業によるドル買いも流入し、底固い動きとなった。
(2)下院で民主党が伸び悩み、過半数を獲得する確率が低下するとの報道を受けて、ドル買い戻しが強まった。また、上院で共和党が過半数を獲得するとの見方が示されたことも影響し、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、下院では民主党が過半数を奪還するとの見通しが報道されたことから、一転して円買い戻しが強まるなど、報道による情勢に一喜一憂する状況が続いた。一方、イタリアのポピュリスト政権が上院の信任投票で支持を得たとの報道を受けて、ユーロは堅調な動きとなった。
(3)米中間選挙は、予想通りの結果だったことから、米国市場では下げ一服となった。マーケットの注目はFOMCに移っており、年内の利上げ期待が意識されて米国債利回りが上昇となり、日米金利差拡大が意識されてドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、下院議長への就任が見込まれるナンシー・ペロシ議員が、インフラ支出に関して民主党としてトランプ大統領と共に取り組みたいとの考えを示したことで、インフラ投資が進む可能性があるとの期待が高まったことを受けて、米株価が大幅上昇となったことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
本日のトピックス
米中間選挙がほぼ予想通りの結果となったことで、選挙に絡んだ動きも一服しており、今後の人事関連で動きが出ることが予想されるものの、マーケットでは今晩のFOMCの結果発表に関心が移っている。今回のFOMCでは、利上げが見送られるとの見方が大勢を占めており、金利先物市場でも今回のFOMCでの利上げ予想確率は5.7%と低い確率となっている。ただ、来月12月の利上げ予想確率は76%となっており、マーケットでも利上げ期待が高まっている。そのため、今回の声明がタカ派的な声明となるのかどうかが注目されており、タカ派的と受け取られるようなら、ドルの押し上げに寄与する可能性もあるだろう。ただ、タカ派的でないと受け取られる場合には、一時的な下げとなる可能性もあることから注目したい。
11/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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翌4:00 | 米国 |
FOMC政策金利
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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2.00%-2.25% | 2.00%-2.25% |
前回9月のFOMCでは、予想通りの利上げが決定され、声明では「緩和的」との文言を削除、経済は力強く拡大したとの見方を示した。今回は、金利の据え置きがコンセンサスとなっているが、年内あと1回とされる12月のFOMCでの利上げのヒントが示されるのかが注目される。 |