前営業日トピックス
東京市場が祝日で休場となったことから新規材料に乏しく、序盤から小動きの展開となった。アジア株の下落が影響し、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。
米国市場では、米主要株価が序盤から下落したことや、米長期金利の低下も加わり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。一方、英国のEU離脱問題やイタリアの財政問題に対する懸念を背景に、ポンドやユーロは欧州市場から軟調な動きが続いた。また、原油価格の大幅下落で、カナダや豪ドルなどの資源国通貨もドルや円に対して下落した。米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり4営業日続落となった。また、終値ベースでは約4ヵ月半ぶりの安値となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が祝日で休場となる中、アジアの主要市場で株価が下落したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、ドイツのサービス業PMIが約4年ぶりの低水準に落ち込むなど、ドイツやユーロ圏の経済指標が冴えない結果となったことを受けて、ユーロがドルや円に対して下落した。
(2)米国市場では、感謝祭翌日で株式市場、債券市場、商品市場が短縮取引となり、事実上の連休を取る市場参加者も多く、序盤から小動きの展開となった。ただ、米主要株価が序盤から下落したことや、米長期金利の低下も加わり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。
(3)EU離脱計画について、議会の承認を得られるかどうか疑問視されているとの報道を受けて、ポンドはドルや円に対して軟調な動きとなった。また、原油価格の大幅下落により、カナダや豪ドルなどの資源国通貨や新興国通貨も軒並み下落となった。その中で、低下した米長期金利が持ち直したことや、逃避的なドル買いも加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
11/25に臨時のEU首脳会議で英国のEU離脱協定草案が承認されたが、反応は限定的となり、週明けのマーケットはやや静かな動きとなった。本日は、主要な経済指標の発表もなく、限定的な動きが続く可能性が考えられる。ただ、このところ不安定な動きが続いている株式市場や下落が続いている原油価格に左右される可能性もあり、内外の株価の動きなどには注目したい。
また、先週は、英国やユーロ圏の材料が相場を先導したが、今週は米国関連の材料が相場を先導する可能性が考えられる。
気まぐれ投資コラム
EU首脳会議で英国の離脱協定案が承認、今後の展開はどうなる?
11/25日に臨時のEU首脳会議が開かれ、英国との離脱協定案と政治宣言案を承認したことを受けて、ポンドは11/26のアジア時間帯早朝からギャップアップして始まりました。ただ、ここまではある程度予想されていたこともあり、反応はやや限定的となっています。
今後は、英国の議会での承認が必要となり、議会で承認されれば秩序ある離脱に向けて前進となりますが、議会で承認されない場合には、合意なき離脱(ハードブレグジット)となる可能性もあります。現状では、英議会で承認されない可能性もあり、EU側は英国の政治家に対し、離脱案を否決しても、より良い合意は得られないと警告しています。
英議会での採決は12/10前後に実施される可能性があるとの報道もあり、承認される場合にはポンド上昇が、承認されない場合には、ポンド下落が予想されています。そのため、議会での採決までの要人発言や報道に一喜一憂する展開が考えられます。
※出所:SBILMが作成