前営業日トピックス
東京市場では、海外市場終盤の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まった。そして、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたことからドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。その後、株価の反発から値を戻す場面もあったが、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米11月生産者物価指数が予想を上回る結果となったことに加え、トランプ大統領が中国とはとても生産的な対話が続いているとしたことも加わり、ドルは堅調な動きとなった。しかし、トランプ大統領が、「国境の壁」予算を受け入れなければ政府機関を閉鎖すると発言したことや、米主要株価が軒並み下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、株価が下げ幅を縮小したことや、米長期金利の上昇を受けて、ドルは再び堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場で序盤に大幅下落となった株価がプラス圏まで反発したことから、堅調な動きとなった流れが一服し、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まった。日経平均株価が上昇して始まったものの、下落に転じ、一時150円以上の下落となったことが影響し、上値の重い動きが続いた。
(2)中国商務省が、中国の副首相が米財務長官や米通商代表部代表と電話会談したと発表したことを受けて、米中通商問題が進展するとの期待感から、日経平均株価が再びプラス圏まで上昇するなど、ドル円・クロス円も一時堅調な動きも見られたが、株価が再び下落に転じたことから、ドル円・クロス円は、軟調な動きが続いた。その後、一時上昇する場面もあったが、上値の重い動きが続いた。
(3)米長期金利や欧州主要株価の上昇を背景に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、序盤に発表された米11月生産者物価指数が予想を上回る結果となったことに加え、トランプ大統領が中国とはとても生産的な対話が続いているとしたことも加わり、ドルは堅調な動きとなった。一方、英EU離脱問題や仏マクロン大統領への不信任案提出検討などを背景に、ポンドやユーロはドル、円などに対して軟調な動きとなった。
(4)トランプ大統領が、メキシコとの国境の壁の予算を受け入れなければ政府機関を閉鎖すると発言したことや、上昇していたダウ平均株価が高値から500ドル以上の下落となるなど、主要株価が軒並み下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、その後株価が下げ幅を縮小したことや、米長期金利の上昇を受けて、ドルは再び堅調な動きとなったものの、ポンドやユーロは上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の海外市場では、トランプ米大統領の発言が株価や為替相場に影響しており、本日の東京タイムでも、来週のFOMCでのFRBの利上げを牽制する発言をしている。東京市場では、下落が続いた株価にマーケットの関心があることから、発言を受けた反応はやや限定的となっている。ただ、引き続き発言などには注目したい。
一方、英与党保守党議員らがメイ英首相の不信任案投票発動に向けて動いているとの報道もあり、依然として英EU離脱問題に関する報道も交錯している。また、マクロン・フランス大統領への不信任案提出検討との報道も出ており、ポンドやユーロは上値の重い動きが続く可能性が考えられる。その逃避先として、来週の利上げ観測もあるドルに向かっており、対ユーロやポンドで堅調な動きが続いていることから、対円でも引き続き底固い動きが続くと考えられる。
12/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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前回は、前月比で市場予想を上回り、2018年1月以来の高い伸びとなった。また、変動の大きい食品・エネルギーを除くコア指数も伸びた。ただ、前年比では予想を下回った。今回は、前月の反動から伸び幅の低下が予想されており、前月比でマイナスとなるようなら、今年3月以来となることから、その場合にはドル相場に影響する可能性も考えられる。 |