前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤のドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、日経平均株価が堅調となったこともあり、底固い動きも見られた。しかし、新規材料に乏しく、積極的な売買が手控えられ、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み大幅悪化となったことや、米主要株価が大幅下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きが続いた。一方、トランプ米大統領がFOMCの利上げを牽制する発言をしたこともドルの圧迫要因となり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。米株式市場では、ダウ平均株価が一時前日比643ドル安まで下落、ハイテク株中心のナスダックも2%を超える下落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)中国や欧米の経済指標の鈍化を受けて世界経済の先行き懸念が高まり、リスク回避の円買いとなった流れを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が堅調な展開で始まり、上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)新規材料に乏しく、米FOMCや日銀金融政策発表を控えて様子見ムードが強まり、日経平均株価が狭いレンジ内の動きとなったことから、小動きの展開が続いた。その後、欧州主要株価、米株価先物が下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)NY連銀製造業景気指数が2017年5月以来、NAHB住宅市場指数が2015年5月以来の低水準に悪化したことで、米経済の先行き懸念が意識され、ドルは軟調な動きとなった。さらに、トランプ米大統領、ナバロ米国家通商会議委員長が、今週のFOMCでの利上げを牽制する発言をしたことから、ドルは主要通貨に対して下落した。また、トランプ米大統領が、米政府機関の閉鎖回避のための短期の暫定予算を支持しない考えを示したことも圧迫要因となった。
(4)米主要株価が軒並み2%以上の下落となるなど、連日の大幅下落となったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は終盤まで軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
昨日も、ユーロ圏や米国の主要な経済指標が悪化したことで、世界経済の減速懸念が意識されて株価が大幅下落となった流れを受けて、東京市場でも株価が下落している。株価下落を受けて、ドル円・クロス円は若干下落したものの、海外市場で下落が続いたこともあり、やや下げ渋っている。そのため、株価が一段の下落とならなければ、比較的底固い動きが続く可能性も考えられる。
さらに、本日から米FOMCが始まる(結果発表は19日)ことから、様子見ムードが強まる可能性も考えられる。ただ、米国市場では、住宅着工件数の発表が予定されている。このところ米経済指標の冴えない結果が続いており、悪化するようならドルの一段の下げとなる可能性も考えられることから、結果に注目したい。
12/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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123.0万件 | 122.8万件 |
前回は、市場予想と一致し9月から小幅増加となった。一戸建て住宅が減少したものの、集合住宅が大きく伸びが全体を押し上げた。今回は、小幅増加が予想されているが、着工件数の先行指標とされる許可件数がこのところ伸び悩んでいることから、大きな改善は見込めないだろう。ただ、一部では9月、10月のハリケーンの上陸の反動が出るとの見方もある。 |