前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価やアジア株が下落したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、中国の経済指標が冴えない結果となったことも圧迫要因となった。欧州市場では、欧州主要株価指数が上昇したことや、米長期債利回りの上昇もあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、米中通商協議の進展期待や、NY連銀製造業景気指数の改善を背景に、ドルは序盤から堅調な動きとなった。しかし、トランプ大統領が非常事態を宣言する可能性があるとの警戒感も根強く、その後は上値の重い動きとなった。そうした中、トランプ米大統領がメキシコ国境の壁建設予算を盛り込んだ歳出法案に署名したが、反応は限定的となった。一方、ミシガン大消費者信頼感指数が改善したことや、米主要株価指数の上昇が続いたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が、序盤に280円以上の下落となったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。更に、中国の消費者物価指数、生産者物価指数がともに市場予想を下回る結果となったことから、中国景気の減速懸念が意識されたことも円買いを加速させた。
(2)午後に入り、ドル円・クロス円は底固い動きが続いたものの、中国株が下げ幅を拡大したことや、米長期金利の低下も加わり、上値の重い動きとなった。
(3)欧州主要株価指数や米株価先物市場の上昇、さらに米長期債利回りの上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、米中通商協議の進展期待や、NY連銀製造業景気指数が市場予想を上回る結果となったことが好感されドルは一段の上昇となった。
(4)トランプ米大統領が非常事態を宣言する可能性があるなど不透明感も根強く、その後は上値の重い動きとなった。さらに、米鉱工業生産が市場予想を下回り、昨年5月以来8ヵ月ぶりのマイナスとなったことも嫌気され、ドルは主要通貨に対して下落となった。
(5)トランプ米大統領が、メキシコ国境の壁建設予算として約14億ドル(約1550億円)を盛り込んだ歳出法案に署名したことを受けて、思惑が交錯したものの、マーケットへの影響は限定的となった。一方、ミシガン大消費者信頼感指数が改善したことからドルは堅調な動きとなり、さらに米主要株価指数の上昇が続いたこともあり、クロス円も堅調な動きとなった。
本日のトピックス
週明けで新規材料に乏しいことや、米国市場がプレジデンツ・デーで休場となることから、限定的な動きが予想される。さらに、明日から週末にかけて欧州や米国での注目材料が多いことや、要人発言なども予定されており、本日は様子見ムードが広がる可能性もあるだろう。また、欧州市場でも主要な経済指標の発表もないことから、アジアや欧州の株価の動きなどが注目されている。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線の上昇に合わせて堅調な動きが続いており、基準線の下抜けは回避されている。今週は、21日まで基準線の上昇が続く(18日109.557、19日109.625、20日109.747、21日109.812)ことから、ドル/円は底固い動きが続くのか注目したい。
基準線は、21日以降は3/6まで横ばいが続く(108.499-111.124のレンジ内で推移との条件)ことから、引き続き当面の下値のポイントとなる。また、この近辺では一目均衡表の雲上限ライン(27日まで109.568で横ばい)もあることから、この近辺が重要な下値のポイントと見られている。
オシレーターのMACDでは、両線がゼロポイントを上抜けたものの、先行するラインがやや失速しており、両線の乖離幅がやや縮小している。このことから、乖離幅の縮小が続く場合や、両線がクロスする場合には、相場の流れが変わるシグナルとなることから注目したい。
上値のポイント
(1)110.64(15日高値)(2)111.12(直近高値)(3)111.23(上値目標の計算値)
下値のポイント
(1)110.26(15日安値)(2)110.00(重要サポート)(3)109.56(基準線)