前営業日トピックス
東京市場では、米FOMCの開催を控えて様子見ムードが強まる中、全般的に方向感のない展開となった。その中で、序盤は日経平均株価が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなったが、その後は米長期金利の低下などもあり、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、FOMCや英国のEU離脱修正案の議会採決などを控え、序盤のドル円、クロス円は積極的な売買が手控えられ、小動きに終始した。英下院議長が、否決された修正案に新たな修正がないままの再び採決することを拒否したとの報道を受けて、合意なき離脱への懸念が高まり、ポンドが主要通貨に対して下落し、リスク回避の動きからドル円・クロス円も連れ安となった。その後、マイナス圏に下落していたダウ平均株価がプラス圏に反発し、上げ幅を拡大したこともあり、引けにかけては底固い値動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けで新規材料に乏しく、FOMCを控えて様子見ムードが強まる中、序盤から小動きの展開となった。その後、日経平均株価が堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)日経平均株価や上海総合が伸び悩んでいることで上値の重い動きとなり、さらに米国債利回りが低下したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)FOMCやパウエルFRB議長の会見、英国のEU離脱修正案の議会採決などを控えて、積極的な売買が手控えられる展開の中、一時2.583%まで低下していた米10年債利回りが2.608%まで上昇したことを受けて、ドル買いとなり、ドル/円は底固い動きとなった。一方、バーコウ英下院議長が、拒否された案を修正なしに再び採決にかけることを事実上禁止したことを受けて、合意なき離脱への思惑が交錯し、ポンドは主要通貨に対して下落した。また、リスク回避も意識され、ドル円・クロス円も連れ安となった。さらに、ロンドンフィキシングと重なる時間帯であったことから、円買いの動きが加わった可能性もあった。
(4)下げ一巡後は、マイナス圏まで下落していたダウ平均株価がプラス圏に反発し、上げ幅を拡大したこともあり、引けにかけてドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
本日のトピックス
英国のEU離脱修正案の採決を前にして、バーコウ英下院議長が、否決された離脱案を修正がないまま3度目の議会採決にかけることを事実上禁止したとの報道を受けて、合意なき離脱への思惑も高まるなど、離脱の行方に不透明感が広がっている。現時点では、採決が不透明な情勢にあり、報道や要人発言に敏感に反応する可能性も考えられることから、引き続きポンドの動きには注意したい。
米国市場では、FOMCを控えて様子見ムードが強まっている。ただ、ドット・チャートや成長率見通しが下方修正されるとの観測も根強いことから、やや上値も圧迫されている。経済指標発表では、1月製造業受注指数の発表が予定されており、前月に続き改善が示されるのか注目したい。
3/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
1月製造業受注指数(前月比)
製造業新規受注は、米国の製造業の新規受注など受注関連を集計した経済指標であり、設備投資などの先行指標とされている。特に振幅の大きい航空機を除いた非国防資本財受注が注目されることもある。
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0.3% | 0.1% |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、3ヵ月ぶりにプラスに転じた。変動の激しい輸送機器を除いた受注は2ヵ月連続のマイナスとなったが、前月からはマイナス幅は縮小した。今回は、若干の上昇が予想されているが、再びマイナスに落ち込む場合には影響が出る可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ブラジル・レアル/円は、一目均衡表の雲下限近辺で上値の重い動きが続いていたが、現状では完全に雲の中に入り込んでいる。ここから、雲上限ラインを上抜けるのか、再び雲下限ラインを下抜けるのかを見極めたい。
現状の雲上限ラインは、本日が29.464、20日には29.453、21日には29.446、22日には29.435。一方、雲下限ラインは、本日から22日まで29.007で横ばいとなり、目先はここが上下のポイントとなる。
一方、オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、上昇を示唆する形となっている。現状では、先行するライン(赤色)が上向きとなっているが、遅行するライン(青色)も上向きになるようなら、上昇傾向が強まるチャート形状となる。