前営業日トピックス
東京市場では新規材料が乏しい中、序盤にマイナス圏まで下落した日経平均株価が堅調な動きとなったことを受け、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに実需のドル買い・円売りが観測されたことも影響した。午後には株価が再びマイナス圏に転じたことで、上値の重い動きとなった。
ただ、トランプ米大統領と中国副首相の会談を控えて、様子見ムードも広がったことから、値動きはやや限定な状況が続いた。米国市場では序盤に発表された米新規失業保険申請件数が49年ぶりの低水準に改善したことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。さらにトランプ大統領が中国副首相との会談後に、米中首脳会談の実施を発表する可能性が強いとの米紙報道も好感されて、ドルは堅調な動きとなった。
一方、英国のEU離脱問題の先行き不透明感は依然として続くとの見方を背景に、ポンドは主要通貨に対して下落した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏まで下落したことで、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなった。その後、株価が再びプラス圏まで上昇し、上げ幅が拡大したことや、仲値公示にかけて実需のドル買い観測などもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)上昇一巡後は上値の重い動きとなり、午後に入り日経平均株価が再びマイナス圏に転じたことで、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、ドイツの製造業関連の経済指標が前月比で2017年1月以来の低水準に落ち込んだことを受けて、ユーロは軟調な動きとなった。
(3)米新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、49年ぶり低水準に改善したことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。さらに、トランプ大統領が中国副首相との会談後に米中首脳会談の実施を発表する可能性が強いと米紙が報じたことも材料視され、ドル円は3/20以来の高値を付けた。一方、英議会がEU離脱延期をEUに申請する法案を可決したが、EU側は離脱協定案の承認を条件としていることから、依然として不透明な状態が続くとの見方を背景に、ポンドがドルや円に対して下落した。
(4)米主要株価指数が引けにかけて堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。特にドルは対ポンドで上昇が続いたこともあり、対円でも終盤まで堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
欧州では、直近で改善が見られたユーロ圏の経済指標が好感されていたが、昨日のドイツ経済指標の悪化で再び経済の先行き不安が出ている。一方、英国では、EU離脱問題に対する不透明感が根強いことから、ユーロやポンドは上値の重い動きが続く可能性がある中で、米中通商協議の進展期待などから、ドルが底固い動きとなる可能性も考えられる。
特に4/5(金)に米雇用統計の発表が予定されており、結果が良好なら一段の上昇につながると思われる。
米雇用統計では、前回予想外の大幅低下となった非農業部門雇用者数の伸び幅が、前回の+2.0万人から+18.0万人に改善すると予想されている。また、予想外の減少となった前回結果が上方修正されるのか、前回前年比ベースで2009年4月以来の高い伸びとなった平均時給は引き続き堅調な伸びが続くのかにも注目したい。発表直後の初動では、非農業部門雇用者数の結果がポイントとなり、その後は失業率や平均時給、前回結果の修正などがポイントとなるだろう。
4/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月米雇用統計
雇用統計は、米国の失業率と就業者数を中心に雇用に関する10数項目が発表され、米国の雇用情勢を示す重要な経済指標である。また、非農業部門就業者数が重視され、製造業の就業者数にも注目されている。なお、雇用統計は、個人所得や個人消費動向にも影響を与え、米国の経済・金融政策の変更のきっかけとなることも多い。
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前回は、非農業部門雇用者数の伸び幅が予想外の大幅低下となったが、失業率が改善したことや、平均時給が前年比で2009年4月以来の高い伸びとなったことが好感され、ドル相場への影響は限定的となった。今回は、非農業部門雇用者数が前回結果から伸び幅が大きく改善すると見られている。また、賃金の伸びが前回水準を維持できるのかにも注目したい。 |