前営業日トピックス
東京市場では、海外市場のイースター休暇を控えて積極的な売買が手控えられる中、序盤から日経平均株価や中国株が軟調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米国債利回りの低下も圧迫要因となった。一方、注目されたユーロ圏やドイツの製造業関連の経済指標が冴えない結果となったことを受けて、ユーロは一段の下落となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標がまちまちの結果となったことで、ドル/円は一時112円台まで上昇したものの、その後は反落するなど上値の重い動きとなった。イースター休暇を控えて限定的な動きが続く中で、ドルはユーロなどに対して堅調な動きが続いたこともあり、円に対しても底固い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)4/19はグッドフライデーで、欧米主要国をはじめとする多くの国が休日となることから、積極的な売買が手控えられており、序盤から小動きの展開となった。しかし、海外のイースター休暇や日本の大型連休を控えて、本邦輸出企業のドル売り・円買いニーズが根強いとの見方から仲値公示近辺にかけてドルは軟調な動きとなった。一方、豪州の雇用統計で就業者数が予想を上回ったことを受けて豪ドルは上昇となったが、失業率が2011年以来の低水準から上昇したこともあり、豪ドルの上昇は一時的となった。
(2)日経平均株価の下落が続いたことや、米10年債利回りが2.586%から2.547%まで低下したことを受けてドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、ドイツやユーロ圏の製造業関連の経済指標が予想を下回る結果となったことを受けて、ユーロは一段の下落となった。
(3)3月の米小売売上高が市場予想を上回り、2017年9月以来の高い伸びとなったことや、新規失業保険申請件数が5週連続の減少となり、1969年9月以来の低水準となったことが好感され、ドルは堅調な動きとなった。しかし、その後に発表された4月の米製造業・非製造業PMIが2016年9月以来の低水準となったことを受けて、ドルは下落に転じた。
(4)ユーロ圏やドイツの製造業PMIが予想を下回ったことを受けて、ユーロはドルや円に対して下落となり、ドルは対ユーロで上昇したこともあり、円に対しても底固い動きが続いた。
本日のトピックス
本日は、ドイツ、英国、米国の一部市場(株式・債券市場)が休場となることから、限定的な動きが考えられる。ただ、東京市場では、来週末から日本が大型連休に入ることから、実需のポジション調整の動きも考えられる。その中で、薄商いでまとまったフローが入る場合には、大きな動きとなるケースもあることから、注意したい。
4/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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123.0万件 | 116.2万件 |
前回は、市場予想を下回る結果となった。集合住宅は前月から増加したものの、3ヵ月連続で上昇していた一戸建て住宅が2017年5月以来の低水準となったことが影響した。今回は、改善が予想されているが、主力の一戸建て住宅がどこまで改善するのか注目したい。 | ||||
21:30 | 米国 |
3月建設許可件数
住宅建設許可件数は、住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
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130.0万件 | 129.6万件 |
前回は、市場予想を下回り、2ヵ月連続の低下となった。一戸建て住宅は横ばいとなったが、集合住宅が減少したことが影響した。今回は若干の増加が予想されており、大きな減少とならなければ、影響は限定的だろう。 |