前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、五・十日の実需のドル買いなどが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、米国が対中追加関税の引き上げを発動したことが影響し、日経平均株価が反落したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、値頃感の買い戻しや、欧州主要株価が堅調な展開で始まったことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、トランプ米大統領が中国との通商交渉を急ぐ必要がないとの見方を示したことや、4月の米消費者物価指数が市場予想を下回る伸びとなったことを受けて、ドルは冴えない動きとなった。さらに、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、トランプ米大統領、ムニューシン米財務長官が米中通商協議に関して「建設的だった」との見方を示したことから投資家心理が改善し、米主要株価が軒並みプラス圏まで反発したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な動きで始まり、一時181円高まで上昇し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、連休明け後の五・十日であり、実需のドル買い円売りフローが観測されたこと、またトランプ米大統領と習近平国家主席との電話会談の思惑が加わったことも押し上げ要因となった。
(2)日経平均がマイナス圏まで下落したことや、米国の対中追加関税の発動を前にポジション調整の動きが見られ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。こうした中、米国が中国からの2000億ドル相当の輸入品に対する関税を10%から25%に引き上げたが、日経平均株価が下げ幅を拡大し、前日比226円安となったこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)下げ一巡後は、値頃感の買い戻しや欧州主要株価が上昇して始まったこともあり、底固い動きとなった。
(4)トランプ米大統領が、中国との通商交渉を急ぐ必要がないとの見方を示したことや、4月の米消費者物価指数が前月比、前年比ともに市場予想を下回る伸びとなったことを受けて、ドルは軟調な動きとなった。さらに、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(5)トランプ米大統領が、今回の2日間の米中通商協議に関して「建設的だった、交渉は将来も続く」としたことや、今後の協議次第で対中関税の撤廃の可能性を示唆したことで投資家心理が改善し、下落していた米主要株価が軒並みプラス圏まで反発したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、終盤に一時110円台まで上昇する場面もあった。
本日のトピックス
週明けであることや、注目された米中通商協議も一旦終了したことから、マーケットではやや一服感から限定的な動きも予想されている。ただ、米国の対中追加関税、中国の報復措置が撤回されたわけではなく、さらに米国は追加の対中関税を進めていることもあり、上値の重い動きが考えられる。そして、米国では主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しいことから、先週大きく下落した内外の主要株価指数が値を戻すのか注目されている。