前営業日トピックス
東京市場では、米国債利回りが上昇したことや、月末の実需のドル買いフローなども観測され、ドルは堅調な動きとなった。しかし、上昇一服後は、G20首脳会議や実施が予定されている米中首脳会談を控えて様子見ムードが強まっており、ドル円・クロス円は限定的な動きとなった。その後、ムニューシン米財務長官が「米中通商交渉は90%完了している」と発言したことで、米中通商問題に関して楽観的な見方が広がり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された5月の米耐久財受注が市場予想を下回る結果となったことを受けて、ドルは上値の重い動きとなった。しかし、G20首脳会議、米中首脳会談などを控えて様子見ムードが強まっており、ドルはやや限定的な動きが続いた。その中で、米国債利回りが上昇したことでドル買い・円売りとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)セントルイス連銀総裁が0.50%の利下げは不要との認識を示したことや、パウエルFRB議長が米経済は堅調に推移するとの見方を示したことが改めて材料視され、序盤からドルは底固い動きとなった。ただ、通商問題や中東情勢など先行き不透明な問題もあり、またG20首脳会議や米中首脳会談の内容を見極めたいとも思惑もあり、やや上値は限定的となった。
(2)日経平均株価は、序盤から軟調な動きとなったものの、米国債利回りが1.9936%から2.0090%まで上昇したことから、ドル買い・円売りの流れとなった。さらに、本日はスポ末(スポット取引の決済が月末となる)であり、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも下支え要因となった。
(3)ムニューシン米財務長官が「米中通商交渉は90%完了している」と発言したことで、米中通商問題に関して楽観的な見方が広がり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)5月の米耐久財受注が市場予想を下回る結果となり、2ヵ月連続のマイナスとなったものの、ムニューシン米財務長官の発言やG20首脳会議、米中首脳会談などのイベントを控えて様子見ムードが強まっていることから、下値は限定的だった。また、上昇して始まった米主要株価指数が上げ幅を縮小したことも影響し、ドルはやや上値の重い動きが続いた。しかし、米10年債利回りが2.0038%から2.0503%まで上昇した流れを受けてドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
引き続き、G20首脳会議や米中首脳会談などのイベントを控えて、限定的な動きが予想される。その中で、G20首脳会議のために海外からの要人が続々来日しており、安倍首相との首脳会談も予定されている。特に、本日は日中首脳会議が予定されており、会談の内容が注目されている。
米国市場では、GDPの確報値の発表が予定されており、改定値からの上方修正が予想されている。昨年の第4四半期に大きく低下していたが、今年の第1四半期は再び3%以上の成長が見込まれており、好調なスタートを切ったことが示されると考えられる。特に、GDPの7割を占めるとされる個人消費は、昨年3月以来の低水準で3四半期連続の低下が決定的だが、改定値から上方修正され、改善の兆しが確認できるか注目されている。
6/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
1Q GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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3.2% | 3.1% |
前回は、市場予想を下回る結果となり、速報値から下方修正となった。ただ、一部で懸念されていた3%割れとはならなかった。個人消費や輸出が速報値から上方修正されたことが下支えとなった。今回の確報値は、改定値からの上方修正が予想されており、2019年の好調な滑り出しが決定する。 | ||||
23:00 | 米国 |
5月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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1.0% | -1.5% |
前回は、市場予想を下回り、昨年12月以来の低水準となった。南部や西部が大幅に減少したことが影響した。今回は、増加が予想されているが、今年は例年になく予想外の結果となるケースが続いていることから、結果が注目される。 |