前営業日トピックス
米財務省が中国を為替操作国と認定したことを受けて、米中摩擦の深刻化への懸念から、安全な通貨とされる円を買ってドルを売る動きが優勢となり、ドル/円は106.00から105.52まで下落した。その後は、中国人民銀行が人民元の対ドル基準値を予想より元高に設定したことが好感され、円売りが優勢となり、ドル/円も107.09まで反発した。ただ、上昇一服後は再び上値の重い動きとなった。
米国市場では、米主要株価指数が軒並み反発して始まったこともあり、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。ただ、米中対立の行方を見極めたいとの思惑から上値は限定的となり、ドル/円は106.64までの上昇に留まった。その後、米国債利回りの低下などもあり、ドル/円は106.24まで下落したものの、一時マイナス圏まで下落していたダウ平均株価が終盤にかけて300ドル以上の上昇となったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ドル/円は狭いレンジ内の動きに終始した。一方、米株式市場では、米中の対立が和らぐとの期待感を背景に主要株価は反発となり、ダウ平均株価は前日比311ドル高となり6営業日ぶりに反発。一方、ハイテク株中心のナスダックは107ポイント高で7営業日ぶりに反発となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米財務省が中国を為替操作国に認定したとの報道を受けて、リスク回避の動きが強まり、ドル/円は一時105.52まで下落した。一方、中国と貿易上関連の深いことから、豪ドル/円は71.24円まで下落した。その後、日経平均株価が序盤から大幅下落となり、一時前日比609円安となったことも影響し、上値の重い動きとなった。ただ、中国人民銀が人民元の基準値を前営業日終値の7.0498元からドル安/元高となる1ドル=6.9683元に設定したことを受けて、ドル円・クロス円は反発となり、ドル/円は106.38円まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価や上海株が下げ幅を縮小したことに加え、1%以上下落していた米株価先物がプラス圏へ上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時107.09まで上昇したが、上昇一服後はやや上値の重い動きとなった。
(3)米主要株価指数が軒並み反発して始まったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、米中対立が和らぐとの期待感が出たものの、行方を見極めたいとの思惑から上値は限定的となり、ドル/円はアジア時間で付けた107円台までは届かず、106.64までの上昇に留まった。その後、米10年債利回りが106.24まで1.7699%から1.7293%まで低下となり、ドル/円も106.24まで下落した。一方、合意なき離脱の強行を防ぐ措置を英最大野党・労働党がまとめているとの報道に反応して、ポンドはドルや円に対して上昇したものの、対ドルではアジア時間の高値に届かず、その後に失速した。
(4)一時マイナス圏まで下落していたダウ平均株価が終盤にかけて300ドル以上の上昇となったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ドル/円は狭いレンジ内の動きに終始した。
本日のトピックス
米財務省が中国を為替操作国と認定したことで、引き続き人民元の動きに敏感に反応する可能性も考えられ、人民元の動きに注目したい。また、大幅下落が続いた日経平均など株価の動きにも注目したい。米国市場では、主要な米国の経済指標の発表がないものの、米当局者の発言に加え、米長期金利の指標となる10年債の入札も予定されている。このところ、ドルは金利動向に敏感に反応していることから、入札(日本時間午前2時)前後の動きにも注目したい。