前営業日トピックス
9/1に米国が対中関税第4弾の発動を決定し、中国も報復関税を発動したことを受けて、週明けから相対的に安全資産とされる円が買われる動きが先行、ドル円・クロス円はギャップダウンして始まった。ドル/円は、一時105円台後半まで下落したものの、下げ一服後は値を戻し、さらに中国の経済指標が改善したことも下支え要因となった。ただ、米国市場が休場となることもあり、やや方向性に乏しい動きとなった。その後、ユーロやポンドがドルに対して軟調な動きとなり、ドルは円に対しても堅調な動きとなった。
米国市場がLabor Day(レイバーデー)の休場で小動きの展開となる中、中国商務省が米国の追加関税は先の米中首脳会談での合意を破るものとの認識を示したことや、9月の米中の貿易協議の設定が難航しているとの報道を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米株価先物市場でダウ先物が下落したことも影響した。ドル/円は一時106.06まで下落したものの、米国市場が休場で市場参加者も少ないことから、下値は限定的だった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)9/1付けで米国が対中制裁関税第4弾で1250億ドル相当の輸入品に15%の追加関税を課し、中国が報復措置として、米国からの750億ドル相当の製品の一部に追加関税を課したことを受けて、米中協議に対する懸念を背景に、ドル円・クロス円はギャップダウンで始まった。ドル/円は、一時105.94まで下落した。すでに事前に決定していたこともあり、マーケットの反応は限定的で、下げ一服後は値を戻した。
(2)日経平均株価が下落して始まり、マイナス圏で推移したこともあり、上値の重い動きが続いた。ただ、8月の中国製造業PMIが50.4と、50を回復したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったが、反応は限定的だった。なお、人民元の基準値は1ドル=7.0883元と、先週末の基準値に比べて元安となり、2008/3/13以来の元安水準。その後は、米国市場が休場となることもあり、やや方向性に欠ける動きとなった。一方、ドイツやユーロ圏の製造業PMIが明確な改善の兆候が確認できなかったことから、ユーロは上値の重い動きが続いた。ドルは対ユーロなどで上昇となり、対円でも堅調な動きとなった。
(3)米国市場がLabor Dayで休場となり、ドル円・クロス円は小動きの展開となった。その中で、中国商務省が米国の追加関税は先の米中首脳会談での合意を破るものとの認識を示したことや、9月の米中貿易協議の設定が難航しているとの報道も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米株価先物市場でダウ先物が前日比250ドル以上の下落となったことも影響した。ドル/円は一時106.06まで下落したものの、米国市場が休場で市場参加者が少ないこともあり、下値は限定的だった。一方、英議会の再開を控えて英政局の先行き懸念を背景に、ポンドは上値の重い動きが続いた。さらに、EU離脱を巡る議会の採決で敗北なら10/14に総選挙を計画との報道も圧迫要因となった。
本日のトピックス
本日午後に、豪中銀の金融政策発表が予定されている。5月と7月の2会合連続で利下げを決定した後、前回8月は政策金利を据え置いた。今回は、引き続き1.00%に据え置くと予想されているが、マーケットでは年末までにあと1回の利下げを予想する向きも多い。金利先物市場では、今回の利下げ予想確率は12%程度だが、10月が67%、11月、12月がともに80%を上回っている。年末までに利下げを決定する場合には、声明などで利下げの可能性を示唆する可能性も考えられることから、当局者の発言や声明に注目したい。
米国市場では休場明けとなるが、カテゴリー5に達した大型ハリケーンが今週東海岸を直撃する恐れがあることもあり、原油相場などマーケットに影響する場合には株式市場にも影響が及ぶ可能性も考えられる。また、米経済指標では、8月ISM製造業景況指数の発表が予定されており、やや冴えない結果も目立つ製造業関連の指標であることから、結果に注目したい。
9/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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51.2 | 51.2 |
前回は、市場予想を下回る結果となり、2016年9月以来の低水準となった。新規受注が2ヵ月連続で低下したことが影響した。今回は、前月から横ばいが予想されているが、さらに低下となる場合には、米国の製造業に対する懸念が高まる可能性も考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、レンジ内の動きが続いており、目先上下どちらに方向性が出るのか注目です。一目均衡表では、相場の方向性を示すとされる基準線の横ばいが続いており、現状の相場動向と一致しています。この基準線は、5日までは106.875で横ばいですが、6日には105.999に、9日には105.565に低下します。このタイミングで基準線を上抜けて一段の上昇となるのか、基準線に沿って下落となるのか注目です。
目先の上値のポイントは基準線となりますが、その上には重要なレジスタンスの106.976もあり、ここを上抜けてRSIなどオシレーターで見られるダイバージェンス(逆行現象)による上昇が継続するのかにも注目です。
一方、下値はボトム後のサポートとなっている一目均衡表の転換線となります。この転換線は、6日に横ばいから上昇に転じることから、基準線とのクロスとなるようなら、上昇の一つのシグナルとなることから、週末の動きには注目です。