前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場での堅調な流れが一服し、序盤から上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大したことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後は、米中貿易協議の進展期待の高まりを背景に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、アジア市場から続いた堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。その中で、10月に米中閣僚級協議の実施が決定したことの報道もあり、ドル/円は一時108.18まで上昇し、9/19以来1週間ぶりの高値を付けた。しかし、その後米政権が米証券取引所の中国企業の上場廃止などを検討しているとの報道を受けて米株価が下落に転じ、さらに米国債利回りが低下したことで投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は下落した。ただ、引けにかけては、株価が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円はやや値を戻した。
米株式市場では、ダウ平均株価は、序盤は底固い動きが続いたが、その後は下落に転じて一時175ドル安まで下落した。終盤には下げ幅を縮小したが、結局70ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは91ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ドル/円は107.67まで下落、一方ユーロは追加利下げに対する思惑などが引き続き影響し、対ドルでも一段の下落となり9/5以来の安値を更新した。
(2)週末で新規材料に乏しい中、実需のフローも限定的となり、ドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。その後、中国が米製品購入を拡大するとの報道などを材料に、米中貿易協議の進展期待が高まり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。一方、EUからの合意なき離脱が回避された場合でも、英中銀による利下げは必要になる可能性があるとの英当局者の発言を受けて、ポンドは主要通貨に対して下落した。
(3)米国市場では、堅調な流れが一服し、序盤からやや小動きの展開となった。その中で、10月に米中閣僚級協議の実施が決定したことに加え、9月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回る結果となったことが好感され、ドル/円は一時108.18まで上昇し、9/19以来1週間ぶりの高値を付けた。一方、一方、ECB専務理事がユーロ圏の労働市場は依然として強いとの見方を示すなど、域内経済の先行きに楽観的な見方を示したことが好感され、ユーロは堅調な動きとなった。
(4)米政権が米証券取引所の中国企業の上場廃止や、米企業による対中投資の制限を検討しているとの報道を受けて、米株価が下落に転じたことや、米10年債利回りが1.7234%から1.6715%まで低下したことで投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は下落した。ドル/円は107.80まで下落した。引けにかけて、株価が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円はやや値を戻した。
本日のトピックス
米中貿易問題の進展期待があるものの、米政府の対中政策に関する報道(一部否定された)などでやや上値の重い動きが続いており、引き続き関連する報道や当局者の発言には注意が必要だろう。ただ、明日からの中国・国慶節を控えており、特に今年は中国建国70周年でもあり、米中ともに牽制的な要人の発言や報道などが控えられる可能性も考えられる。また、中国市場は明日から7日まで休場となることから、アジア時間の動きは比較的静かな動きとなることも予想されている。ただ、その中で香港での抗議活動が活発化するとの懸念もあり、リスク懸念が高まる可能性にも注意したい。また、欧州市場では、本日ドイツの小売売上高、雇用統計、消費者物価指数、米国ではシカゴ購買部協会指数の発表が予定されており、結果には注目したい。
9/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:45 | 米国 |
9月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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50.0 | 50.4 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、7月につけた2015年12月以来の低水準から改善した。今回は、前回から若干の低下が予想されているが、景気判断の基準となる50を維持できるのか、再び下回るのか注目されている。 |