前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大したことや、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。一方、豪中銀が0.25%の利下げを決定し、声明で追加の金融緩和の可能性が示唆されたこともあり、豪ドルは主要通貨に対して下落となり、対ドルで9/3以来の安値となった。また、ユーロはドイツやユーロ圏の経済指標が予想を上回ったことから、ドルや円に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、米当局者が米経済の着実な成長が続くとの見通しを示しことで、ドルは序盤から底固い動きとなった。しかし、9月の米ISM製造業景況指数が約10年ぶりの低水準に悪化したことで米経済の減速懸念が高まり、リスク回避の動きが強まったことからドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに米主要株価指数が大幅下落となったことや、米国債利回りの低下も加わり、ドルは主要通貨に対して下落となった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤に前日比129ドル高まで上昇したものの、その後は下げに転じて一時354ドル安まで下落、安値圏を維持し343ドル安で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、90ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤から小動きの展開となったものの、日経平均株価が上昇して始まり、一時180円以上の上昇となったことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、10年債利回りが1.6663%から1.7096%まで上昇したことも加わり、ドル/円は108.29まで上昇した。
(2)豪中銀が利下げを決定し、発表直後に豪ドル/円は73.37まで上昇したものの、声明で追加金融緩和の可能性が示されたこともあり、その後は72.55まで下落した。また、ドル円・クロス円もやや軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.7548%まで上昇したことに加え、米株価先物が堅調に推移したこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は108.47まで上昇した。ドイツやユーロ圏の製造業PMIの確報値の発表があり、速報値から上方修正されたことを受けて、ユーロは堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、ハト派で知られるシカゴ連銀総裁が、米経済の着実な成長が続くとの見通しを示しことで、ドルは序盤から底固い動きとなり、ドル/円は108.45まで上昇した。
(4)9月の米ISM製造業景況指数は、6カ月連続の低下で2009年6月以来の低水準となった。さらに、景気拡大・縮小の節目となる50を2ヵ月連続で下回ったことも加わり、米国の景気後退への懸念が再燃、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。米ダウ平均株価が前日比350ドル以上の下落となるなど、主要株価指数が軒並み大幅下落となり、さらに米国債利回りが1.7530%から1.6112%まで低下したことも加わり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は一時107.63まで下落した。下げ一服後は底固い動きとなったものの、株価が終盤まで軟調な動きが続いたこともあり、ドル円・クロス円も終盤まで上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
昨晩の海外市場で、9月の米ISM製造業景況指数が6ヵ月連続の低下となり、2009年6月以来の低水準に悪化したことで、米国や世界経済の景気後退への懸念が強まり、ドル円・クロス円は下落した。この結果を受けて、米国の年内のあと1回の追加利下げの可能性も指摘されており、金利先物市場での利下げ予想確率も上昇している。そのため、ドルは上値の重い動きが続く可能性も考えられる。その中で、米国時間には9月のADP雇用統計の発表が予定されており、予想の範囲内の結果なら最近の雇用は堅調との見方が維持されるだろう。しかし、雇用者数の伸びが10万人を割り込むなど、明らかにネガティブな結果となる場合には一段のドル下落となる可能性も想定しておきたい。
10/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
9月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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14.0万人 | 19.5万人 |
前回は市場予想を上回り、3ヵ月連続の増加で4月以来の高い伸びとなった。製造業など、景気減速している中で、企業の雇用が堅調であることが示された。今回は、前回から伸び幅の縮小が予想されているが、大きな減少とならなければ、懸念要因とはならないだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、上値のポイントだった直近高値の108.47を上抜けず、面合わせとなり下げに転じています。一目均衡表の転換線(107.713)を下抜ける動きとなっており、ここからさらに下落が続くのか、あるいは底固い動きとなるのか注目されます。
目先の方向性を見る上で参考にされるオシレーターのMACDでは、両線が下向きとなっており、現状では、やや軟調を示唆する形状となっています。ここからさらに乖離幅が拡大していくのか注目です。
下値のポイントは、一目均衡表の基準線(本日107.060、3日〜8日まで107.108、9日107.151)近辺、次いで雲下限ラインの106.228となります。一方、上値のポイントは108.47となります。
また、下値のポイント近辺に近づけば、チャート形状でダブルトップが意識されます。その場合のポイントは106.959となり、ここを下抜けるとダブルトップ完成となり、その場合の下値目標の計算値は105.446と計算されます。