前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、序盤からやや上値の重い動きとなった。仲値公示にかけては、実需のドル買い・円売りも観測され、ドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、上値は限定的だった。その中で、豪ドルは雇用統計で失業率が改善したことから堅調な動きとなったほか、ユーロ/円も7/31以来の高値まで上昇した。その後、英国のEU離脱問題に関して、国境問題に対する懸念が高まったことでポンドが下落となり、ドル円や他のクロス円もやや上値の重い動きとなった。EU首脳会議において、英国とEUが離脱協定案に合意したことを受けて、ポンド/円は141.51まで上昇し、5/21以来の高値となった。しかし、英議会が協定案を承認するのかどうかは不透明との見方もあり、その後は再び138円台まで下落した。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み市場予想を下回る結果となったことから、ドルは序盤から軟調な動きとなった。さらに、上昇して始まったダウ平均株価がマイナス圏まで下落したことや、米国債利回りの低下も加わり、ドル/円は一時108.45まで下落した。しかし、その後株価が再び堅調な動きとなり、ダウ平均株価が約1ヵ月ぶりの高値まで上昇、ドル/円も108.68まで上昇した。
ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比110ドル高まで上昇した。その後、31ドル安まで下落する動きも見られたが、結局23ドル高で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、32ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。日経平均株価が底固い動きとなったことや、米国債利回りの上昇もあり、ドル/円は108.65までの下げに留まった。その後、仲値公示にかけて輸入企業のドル買い観測もあり、ドル/円は108.83まで上昇した。豪州雇用統計では、失業率が予想より改善したことが好感され、利下げ観測の後退につながるとの見方が広がり、豪ドル/円は73.40から73.86まで上昇した。一方、ユーロ/円は120.56まで上昇し、7/31以来の高値を付けた。
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(2)上昇一服後はやや上値の重い動きとなったが、英国のEU離脱問題に関して、DUP(民主統一党)が税関などに関する現在の提案を支持できないとしたとの報道を受けてポンドは一段の下落となり、ポンド/円は139.40から138.64まで下落した。この動きにドル/円や他のクロス円も連れ安となった。その後、米10年債利回りが上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
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(3)英国とEUが離脱協定案に合意したことを受けて、ポンドが主要通貨に対して大きく上昇した。ポンド/円は一時141.50まで上昇し、5/21以来の高値を付けた。しかし、英議会採決を10/19に控えて、英議会が協定案を承認するのかどうかは不透明との見方もあり、その後は期待感が後退してNY市場序盤には上昇前の138円台の水準まで下落した。一方、米国市場序盤に発表された9月米住宅着工件数、10月フィラデルフィア連銀景況指数、9月米鉱工業生産がいずれも市場予想を下回ったことから、ドルは軟調な動きとなった。さらに、一時110ドル高まで上昇していたダウ平均株価がマイナス圏まで下落したことや、米10年債利回りが1.7956%から1.7291%まで低下したことも加わり、ドル/円は一時108.45まで下落した。
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(4)米主要株価指数が再び堅調な動きとなり、ダウ平均株価が約1ヵ月ぶりの高値まで上昇すると、ドル/円も108.68まで上昇した。
本日のトピックス
英国とEUが離脱協定案に合意したことを受けて、ポンドは主要通貨に対して上昇したが、10/19には英議会で合意案が採決される予定となっている。その中で、民主統一党(DUP)が離脱案を支持しない方針と関係者の発言が報道されたことや、英ブックメーカーの予想では7票差で可決されないとの予想も出ていることから、不透明感が高まっている。一部では、今月末に期限が迫る英国のEU離脱期限の再延期との見方も出ており、採決の結果が注目される。特に、決定までは報道や要人発言に敏感に反応し、思惑が交錯する展開も考えられる。また、英議会の採決の結果を受けて、週明けの動きに大きく影響が出る可能性もあり、十分に注意したい。
米国市場では、米景気先行指数の発表が予定されているが、反応は限定的と見られている。ただ、前日の指標結果が軒並み悪化したことから、結果によっては動きが出る可能性も考えられる。また、米企業の四半期決算の発表が続いており、株価の動きにも注目したい。
10/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月景気先行指標総合指数
米景気先行指数は、米国の民間調査機関のコンファレンスボードが発表する指標で、株価や金利、企業業績、マネー・サプライなど景気に先行して動く10種類の経済指標を指数化した経済指標。景気の方向性や転換点を判断する上で参考にされる。
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前回は、市場予想を上回ったものの、2018年9月以来高い伸びとなった7月の結果から低下した。ISM新規受注指数が5ヵ月連続で寄与度がマイナスとなるなど、4項目がマイナスとなったことが影響した。今回は前月比横ばいが予想されており、マイナスに落ち込むようなら、追加利下げが示唆されると受け取られる可能性もあるだろう。 |