前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の株高を受けて、日経平均株価が堅調な展開で始まったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価がマイナス圏まで下落する展開となったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、その後、米国債利回りが上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、トランプ米大統領が米中は関税の撤廃で合意していないと発言したことを受けて、米主要株価指数や米国債利回りが低下し、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。ドル/円は、一時109.08まで下落したが、下値は限定的だった。その後は、下落した株価が終盤まで堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場での株高に加え、オプションSQ(特別清算指数)だったことから、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比260円高まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、時間外取引で米株価先物が下落したことを受けて、日経平均株価も上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)新規材料に乏しい中で、株価が終盤まで底固い動きが続いたこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、米10年債利回りが1.893%から1.952%まで上昇したことを受けて、ドル/円は109.48まで上昇した。
(3)ドル/円は、前日7日の海外市場で付けた109.49を超えられなかったことから、その後はやや上値の重い動きとなった。米国市場では、トランプ米大統領が「米中は関税の撤廃で合意していない」と発言したことを受けて、米中通商協議に対する楽観的な見方が後退、米主要株価の下落や米10年債利回りが1.953%から1.893%まで低下したことを受けて、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。ドル/円は、109.08まで下落したものの、11月ミシガン大学消費者信頼感指数が前月から上昇し、4ヵ月ぶりの高水準となったこともあり、下値は限定的だった。
(4)その後は、下落した株価が終盤にダウ平均株価が終盤にプラス圏まで値を戻すなど、主要株価指数が底固い動きとなったことに加え、米10年債利回りが1.943%まで上昇した子もあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
本日のトピックス
先週末のトランプ米大統領の発言により、米中通商問題に対する楽観的な見方が一服しており、ドルや影響を受けやすい豪ドルはやや上値の重い動きが続く可能性が考えられる。一方、11/10のスペインの総選挙で、ハング・パーラメント(どの政党も単独過半数を確保できない状態)となった影響もあり、ユーロも上値の重い動きが続く可能性が考えられる。また、週末に実施されたえい英総選挙の世論調査の結果も注目される。
そして、本日の米国はVeterans Day(ベテランズデー)の祝日で、一部市場が休場となるが、株、債券、商品市場はオープンしている。ただ、米国の主要な経済指標の発表がないことや、市場参加者が少なくなることが予想されることから、全般的に小動きの展開が考えられる。その中で、米中通商問題がマーケットの注目であることから、引き続き要人発言や関連する報道には注意したい。