前営業日トピックス
3連休明けの日本市場では、前日の欧米市場での主要株価指数の大幅下落を背景に、日経平均株価が一時1000円超の下落となったものの、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。一部では、仲値公示にかけて3連休明けの実需のドル買い・円売り観測が下支え要因となったとの見方もあった。ただ、仲値通過後のドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。さらに、欧州時間には欧州主要株価指数が下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速への警戒感を背景に、欧米の主要株価指数が大幅下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その中で、米経済指標が冴えない結果となったことがドルの圧迫要因となり、さらに米10年債、30年債利回りが過去最低を更新したことも加わり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は一時109.89まで下落した。ただ、引けにかけては110円台まで値を戻すなど底固い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤に一時前日比188ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて下げ幅を拡大し、879ドル安で終了した。前日と合わせ、2日間で1911ドルの下落となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、255ポイント安と2.7%超の大幅な下落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は底固い展開で始まった。海外市場で主要株価指数の大幅下落を受けて、日経平均株価も序盤から大きく下落となり、一時前週末比1051円安まで下落したものの、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。連休明けで輸入企業によるドル買い観測に加え、米10年債利回りが1.385%から1.414%まで持ち直したこともあり、ドル/円は111.04まで上昇した。
(2)仲値公示通過後はドル買い・円売りも一服し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大観測が根強いことも圧迫要因となった。その後、欧州時間には欧州主要株価指数が下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により世界的な景気減速への警戒が広がっており、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、米消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことや、リッチモンド連銀製造業景況指数が2ヵ月ぶりのマイナスに低下するなど、冴えない結果となったことがドルの圧迫要因となった。その後、トランプ政権が新型コロナウイルスの感染が抑制されているとの見方を示したものの、CDC(米疾病対策センター)が国内でのウイルス感染が拡大する可能性があると警告したことを受けて、主要株価指数が下げ幅を拡大し、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
(4)ダウ平均株価は一時960ドル超の下落となるなど、米主要株価指数が下げ幅を拡大したことや、米30年債利回りが一時1.786%まで低下、10年債利回りも1.307%まで低下し、ともに過去最低を更新したことから、ドル/円は一時109.89まで下落した。ただ、110円台割近辺では値頃感の買い戻しも見られ、ドル/円は再び110円台まで値を戻して終了した。
本日のトピックス
新型コロナウイルスの感染拡大の影響による世界的な景気減速懸念がマーケットを圧迫している。ダウ平均株価は、2日間で1900ドル超の下落、米10年、30年債利回りは過去最低を更新する動きとなるなど、ドル/円は先週後半の上昇分(+2.38円幅)をほぼ帳消し(-2.34円幅)にしたものの、110円台割れ近辺では底固い動きとなっている。
日本でも新型コロナウイルスの感染が広がっていることから、リスク回避の円買いにポジションを傾け難いとの見方も出ている。ここからさらに株価の下落やリスク回避による米国債買い(利回りは低下)が続けば、円が買われる可能性もあるが、一方的に加速しないとの見方もある。ただ、思惑が交錯していることから、目先の方向性を慎重に見極めたい。
先週、米格付け会社が南アフリカの2020年のGDPの見通しを0.7%(従来1.5%)に引き下げており、本日南ア財務相による予算発表が予定(21時頃)されており、注目が集まっている。予算発表で財政再建の道筋(増税や国有企業の資産処分など)が明確にならなければ、先の格付け会社による格下げの可能性も指摘されており、内容が注目されている。
米国市場では、1月の米新築住宅販売件数の発表が予定されている。好調な住宅市場の中で小幅ながら3ヵ月連続の減少が続いており、4ヵ月ぶりの改善が見られるのか注目されている。
2/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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71.5万件 | 69.4万件 |
前回は、市場予想を下回り3ヵ月連続の減少となり、昨年7月以来の低水準となった。住宅ローン金利の低下などを背景に、住宅市場の堅調さが続いているものの、小幅ながら減少が続いたことから、新築住宅市場は軟化しつつあるとの見方も広がった。今回は、4ヵ月ぶりの上昇が予想されていることから、再び堅調さが示されるのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
南ア・ランド/円は、豪ドル/円やNZ/円と同様に、小休止の持ち合いパターンを7波動目で下抜けており、さらに一段の下落となるのかどうかが注目されています。
ランド/円は、持ち合い下限ラインを下抜けて直近安値の7.196近辺まで下落しており、ここを完全に下抜ける場合にはさらに一段の下げとなる可能性も考えられます。その場合の下値目標の計算値は6.991と計算できます。さらに、オシレーターのMACDでは、両線がクロスして目先軟調な展開を示唆する形状となっています。
7.196近辺で底固い動きが続く場合には、一旦値を戻す展開となる可能性も考えられることから、目先の方向性には注目です。