前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたものの、再び堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きとなった。午後には、ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨が対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも堅調な動きとなった。さらに、欧州主要株価指数が上昇して始まり、上げ幅を拡大したことも押し上げ要因となった。
米国市場では、序盤に発表された6月の米雇用統計で失業率などが市場予想より改善したことが好感され、投資家のリスク選好の動きから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後は米国内で新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多となったことから楽観的な見方が後退し、安全資産とされる円が買われた。ドルはユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨などに対して上昇したことから、対円でも底固い動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比469ドル高まで上昇した。しかし、その後は上げ幅を縮小し、92ドル高(+0.36%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは53ポイント高で終了、4営業日続伸となり、2営業日連続で過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が上昇して始まり、マイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、再び日経平均株価プラス圏まで上昇し、前日比145円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤に付けた107.33から107.56まで上昇したものの、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードも強まっており、値動きは限定的だった。
(2)午後に入り、日経平均株価が再びマイナス圏まで下落したことや、米国債利回りが低下したこともあり、ドルは主要通貨に対して上値の重い動きが続いた。一方、ユーロやポンドなどは対ドルで堅調な動きとなったこともあり、対円でも堅調な動きとなった。
(3)欧州市場では、欧州の主要株価指数が軒並み上昇して始まり、上げ幅を拡大したことから、投資家のリスク選好の動き強まり、クロス円は堅調な動きとなった。米国市場に入り、序盤に発表された6月の米雇用統計では、失業率が前月から2.2ポイント改善したことや、景気動向に敏感な非農業部門雇用者数が市場予想を上回り、過去最大の伸びとなったことが好感され、ダウ平均株価が序盤に前日比460ドル超の上昇となるなど、投資家のリスク選好の動きから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は米雇用統計の改善もあり、107.50から107.72まで上昇した。一方、ポンド/円は6/17以来、NZドル/円は6/10以来の高値を付けた。
(4)米国内で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新したことから、楽観的な見方が後退し、主要株価指数が上げ幅を縮小したことで、安全資産とされる円が買われた。ドル円・クロス円は軟調な動きとなったが、ドルはユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨などに対して上昇したことから、対円でも底固い動きが続いた。
本日のトピックス
昨晩発表された6月の米雇用統計では、失業率や非農業部門雇用者数が予想以上に改善したものの、米国で新型コロナウイルスの新規感染者数が再び拡大した最近のデータが含まれていないことから、労働市場への影響が懸念されており、次回7月分の統計結果が注目される。その中で、雇用統計よりも直近のデータを網羅する新規失業保険申請件数(6/27までの週)が予想ほど改善しなかったことや、失業保険継続受給者数(6/20までの週)が増加していることからも、労働市場に影響していることが想像できる。引き続き、雇用関連の指標結果には注目したい。
7/4の土曜日が米国の独立記念日となることから、本日の米国市場は振替休日で主要市場が休場となることから、市場参加者が少なくなり、限定的な動きが予想される。ただ、マーケットでは、米国での新規感染者数が増加しているのかどうかに注目が集まっていることから、関連する報道などには注意したい。