前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことや、中国株や香港株も序盤から堅調な動きとなったことから、投資家のリスク志向の動きからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後には、中国の景気回復期待の高まりを背景に中国株が上げ幅を拡大し、日経平均株価も前週末比400円以上の上昇となったこともあり、ユーロ/円やポンド/円は堅調な動きが続いた。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きとなった。
欧州市場でも欧州主要株価指数の上昇を背景に、円やドルが売られ、米国市場序盤までユーロ、ポンドはドルや円に対して堅調な動きとなった。ただ、米経済指標が市場予想を大幅に上回る良好な結果となったことから、ドルは主要通貨に対して上昇する場面もあった。しかし、米主要株価指数の大幅上昇や米国債利回りの低下などから上昇は一時的となり、ドル/円は軟調な動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時先週2日と比べ470ドル高まで上昇した。その後も高値圏を維持し、459ドル高(+1.78%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは226ポイント高(+2.21%)で終了、3営業日連続で過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、上海総合が年初来高値を更新するなど、アジア株が全般的な上昇で、投資家のリスク選好が広がりドル買い・円売りが先行した。さらに、米長期金利の上昇を好感してドル/円は序盤の107.49から107.77まで上昇した。
(2)中国の景気回復期待が高まったことを背景に、中国株が上げ幅を拡大し、日経平均株価も前週末比427円高まで上昇したこともあり、ユーロ/円やポンド/円などのクロス円は堅調な動きとなった。ただ、ドルはユーロやポンドなどに対して下落が続いたこともあり、対円でも上値の重い動きとなった。
(3)欧州市場でもアジア市場の株高を受けて欧州主要株価指数が序盤から大幅上昇となったことから、投資家のリスク選好の動きが強まり、ドルや円が売られた。米国市場でも欧州市場の流れを引き継ぎ、ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通が序盤から堅調な動きとなった。ただ、ドルは対円で上値の重い動きとなった。
(4)米ISM非製造業景況指数が市場予想を大幅に上回り、4ヵ月ぶりの高水準となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して上昇する場面もあったが、米主要株価指数が大幅上昇となったことに加え、米10年債利回りが0.710%から0.674%まで低下したこともあり、ドル/円は指標発表後に付けた107.59から107.26まで下落した。
本日のトピックス
中国の第2四半期GDP(16日発表)が前期から大きく改善すると予想されており、予想どおりの結果となれば、中国の景気回復が鮮明になるとの思惑から投資家のリスク志向の動きが強まり、アジアや欧州、米国株が上昇し、安全資産とされるドルや円が売られた。
米株式市場では、ナスダックが最高値更新するなど、ダウ平均株価も6月序盤の下落から底固い動きとなっている。米国では経済活動の再開を背景に、経済指標の改善も見られており、景気回復期待も高まっている。2月後半から株価の大幅下落や感染抑制のための経済活動の停止もあり、正常化や回復への期待感がやや先行しているようにも見える。米国では、新型コロナウイルスの新規感染者数の再拡大が続いていることから、楽観視はできないとの見方もあり、感染者数の推移を受けた株式市場の動きが注目されている。本日は、主要な米経済指標の発表はないものの、複数の金融当局者の発言が予定されており、経済の先行きなどに関する発言には敏感に反応する可能性もあり、注目したい。
7/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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480.0万件 | 504.6万件 |
前回は市場予想を大幅に下回る結果となり、2014年12月以来の低水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大が影響しており、自発的離職者と解雇者の合計は前月から470万人の減少となったものの、依然として989万人と高水準が続いた。今回はさらに減少が予想されており、結果が注目される。 |