前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドルは軟調な動きとなった。米国のGDPや新規失業保険申請件数が悪化したことが改めて材料視され、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は一時104.19まで下落し、3/12以来の安値をつけた。午後に入りドル/円は値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。一方、日経平均株価が終盤まで下げ幅の拡大が続いたこともあり、ユーロ/円やポンド/円などのクロス円も上値の重い動きとなった。しかし、欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、米株価先物が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は東京時間に104.19まで下落し、3/12以来の安値を更新していたこともあり、105円台乗せまで回復するとストップロスも加わり、一段の上昇となった。その後、月末のロンドンフィキシングに向けてポジション調整の円売り・ドル買いも観測され、さらにユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨に対して一段の上昇となったことも加わり、ドル/円は一時106.06まで上昇した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比300ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小し、終盤にはプラス圏まで上昇し、114ドル高(+0.44%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、157ポイント高(+1.49%)で終了し、3営業日続伸となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、対ドルで上昇したユーロやポンドは、対円でも堅調な動きとなった。しかし、前日の欧米市場で主要株価指数の下落を受けて、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが0.542%から0.518%まで低下したことも加わり、ドル/円は一時104.19まで下落し、3/12以来の安値を付けた。
(2)下げ一服後は買い戻しの動きから値を戻したが、午後に入っても日経平均株価は下げ幅の拡大が続き、629円安で終了したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、欧州主要株価指数が上昇して始まったこともあり、ドル円。クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。東京時間にドル/円は104.19まで下落し、3/12以来の安値を更新していたこともあり、105円台乗せまで回復すると、ストップロスも加わり、一段の上昇となった。その後に発表された7月のシカゴ購買部協会景気指数が大幅な上昇となったものの、7月のミシガン大学消費者信頼感指数が予想以上の低下となるなど、まちまちの結果となったが、反応は限定的だった。さらに、月末のロンドンフィキシングに向けたポジション調整の円売り・ドル買いが観測され、ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨に対して一段の上昇となったことも加わり、ドル/円は一時106.06まで上昇した。
本日のトピックス
先週末の米国市場の引け後に、格付け会社のフィッチが米国の格付け見通しを従来の「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことが影響し、週明けの東京市場では序盤ドル売りとなる場面もあったが、下げは小幅にとどまった。むしろドルの底打ち期待感もあり、その後は底固い動きとなり、先週末の海外市場の高値106.06を上抜けて一段の上昇となった。
今週末に米雇用統計の発表が予定されているが、米国で新型コロナウイルスの感染者が再び急増した影響で、先週発表された失業保険申請件数や継続受給者数が増加しており、7月分の米雇用統計の悪化懸念も出ている。今週は、週明けから雇用統計に関連の深い経済指標の発表が続くことから、週末の米雇用統計を予想する上で結果が注目されている。
本日の米国市場では、7月の米ISM製造業景況指数の発表が予定されており、前回から改善が予定されているものの、一部では悪化も予想されていることから結果が注目される。さらに、米国では追加の支援策を巡り、与野党の協議が難航しているが、本日も協議が継続されることになっていることから、合意又は合意に近づく場合にはドルの押し上げ要因となる可能性も考えられる。
8/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月ISM製造業景況指数
ISM製造業景況指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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53.6 | 52.6 |
前回は市場予想を上回り、2019年4月以来の高水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停止が緩和されたことを反映する結果となり、新規受注や生産などが大幅上昇したことが影響した。今回も上昇が予想されているが、7月に入り感染者数が再び急増していることがどこまで影響しているのか注目される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、サポート・ポイントだった106.075を下抜け、下値目標の計算値の104.386を下回るなど、達成感から底固い動きとなり、反発しています。現状では、それまでのサポート・ポイントだった106.075を上抜けていることからも、一旦流れが転換したと見ることもできます。
目先の上値のポイントは一目均衡表の基準線の106.174(5日まで、6日には105.989に低下)であり、ここを完全に上抜ければ、一段の上昇となる可能性も考えられます。ただ、7月に入ってから、基準線近辺で上値の重い動きが続いていることから、引き続き基準線近辺で上値の重い動きとなるのか注目されています。
下値のポイントは、上抜けた106.075となり、ここを下抜ける場合には再び軟調な動きとなる可能性も考えられます。
気まぐれ投資コラム
ドルの売り越しは、2011年8月以来9年ぶりの高水準
CFTC(米商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の投機部門の取組(7/28までの週)では、ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、豪ドル、カナダドル、スイスフラン)に対する売り越し額は242.7億ドル(前週188.1億ドル)となり、4週連続の増加で2011年8月以来の高水準となりました。
円は28507枚(先週19307枚)、ユーロは157559枚(125047枚)と過去最高を更新、スイスフランは8442枚(7379枚)とそれぞれ対ドルで買い越し。EUのコロナ復興基金設立で合意したことがユーロの対ドルでの買い越しが増加している要因と見られています。一方、ポンドは-25409(-15080枚)、豪ドルは-5012枚(-205枚)、カナダドルは-12496枚(-16698枚)と売り越し。
※出所:FX総合分析チャート
※出所:データを基にSBILMが作成