先週の225先物は前週末比1250円安(下落率5.87%)の20,050円と大幅安となり、3週連続して下落した。欧米や中国の弱めの経済指標を背景に世界景気の減速懸念から株安連鎖が続き、一時20,000円の大台を割り込む場面もあった。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)はほぼ想定通りの内容だったが、市場が期待するほどハト派的ではないと受け止められたことも株安を助長した。日銀の金融政策決定会合では、現状維持となったが、景況感が世界的に悪化するなか、何もしない日銀に対する失望感も株安に拍車をかけた側面もあったようだ。また、為替相場も1ドル=110円台を窺う動きになっており、12月の日銀短観で判明した今年度の想定為替レート(109円41銭)に接近しており、企業の好業績への期待感が後退していることもネガティブに働いたようだ。
12月14日時点の裁定残高は、ネットベースで915億円の買い越し(前週は3,748億円の買い越し)と減少した。一方、株数ベースでは、9,144万株の買い越しと12月7日時点(1億8,652万株の買い越し)比で減少している。
日経225と裁定残(12月14日時点)
海外勢の売り越しが続く
225先物の手口では、週を通じてコンスタントに売りをこなしたモルガンSが売り方筆頭になったほか、19日に大きく売ったHSBCがそれに続いた。また、海外ヘッジファンドとみられる注文をこなすCSのほか、UBSも週を通じて売りを出し、海外勢が売り方上位に名を連ねた。一方、買い方では、週を通じてコンスタントに買いを入れた大和が週を通じて買い方筆頭になったほか、週末にかけて買い越し基調となったSBIがこれに続いた。また、TOPIX先物の手口では、週末にかけて大きく売り越したUBSが売り方筆頭になったほか、週を通じて売りをこなしたバークレイも売り方上位になった。一方、買い方では、日銀のETF買いとみられる大和が18日と20日に大きく買い越し、買い方トップになったほか、メリル、CSなどの海外勢もそれに続いた。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は、前週末比4.55pt高(上昇率20.98%)の26.24ptと、3週連続高となった。週初は小幅に下落して始まったが、世界的な景況感の鈍化懸念を背景に米国株が大幅に下落、日経平均も今年の最安値を更新するなど、株安連鎖が続いていることから、先行き警戒感は高まった。VIは危険水域である20.00ptを大きく上回り、終値ベースで11月6日以来約1カ月半ぶりの高値水準に達した。今週のVIはさらに上昇基調をたどることも想定され、取引時間中としては、10月26日以来となる30.00ptの大台乗せの可能性も意識される。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は上昇、13.58倍で高値引け
NT倍率(先物)は上昇。日経平均・TOPIXがともに連日で大幅に下落するなか、週半ばにかけて13.4倍割れ水準まで調整する場面もみられた。ただ、週末にはTOPIXが17年4月の安値水準に迫ると、NT倍率も13.58倍まで上昇し高値引けとなった。
今週は2018年の最終週となり、4日立ち合い。先週の大荒れ地合いを引き継ぎ不安定な展開となりそうだ。週初は海外投資家がクリスマス休暇入りしていることから、市場参加者が少なく、流動性も低くなるため、短期筋の小口の売買でも振れ幅が大きくなり、24日の米国市場は600ドル超の大幅安となった。CME225先物は再び20,000円の大台を割り込み、225先物も2017年9月以来約1年3カ月ぶりに節目を割り込んでいる。こうした地合を引き継ぎ、年明けも波乱含みの展開となりそうだ。国内は4日の一日立ち合いだが、海外は2日から市場が動き出す。2営業日分の海外市場の動向を反映して始まることになり、不安定な地合いと相まって引き続きボラタイルな動きになる可能性がある。4日には雇用統計など重要経済指標などの発表があり、引き続き米経済統計の内容を見極めながらの動きになることが想定される。予想レンジは19,000-20,000円とする。
経済スケジュール(12月24日〜1月4日)
日付 | 曜日 | 国内 海外 | 時間 | 内容 |
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12月24日 | 月 | 国内 | 株式市場は天皇誕生日の振替休日のため休場 | |
海外 | 19:25 | ブ・週次景気動向調査 | ||
26:00 | ブ・貿易収支(週次)(12月23日まで1カ月間) | |||
米・株式市場はクリスマス・イブのため短縮取引 | ||||
12月25日 | 火 | 国内 | 08:50 | 企業向けサービス価格指数(11月) |
10:00 | 営業毎旬報告(12月20日現在、日本銀行) | |||
16:00 | 東証住宅価格 | |||
国債買い入れオペ(残存10-25年、残存1-3年、残存25年超、残存3-5年)(日本銀行) | ||||
ベルトラが東証マザーズに新規上場(公開価格:384円) | ||||
リンクが東証マザーズに新規上場(公開価格:3580円) | ||||
海外 | 印・インフラ産業8業種(11月、31日までに) | |||
米・欧・香港・韓国・南ア・印・豪・スイス株式市場は祝日のため休場(クリスマス) | ||||
12月26日 | 水 | 国内 | 08:50 | 日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(10月30、31日分) |
黒田日銀総裁が講演 | ||||
海外 | 19:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(12月22日まで1カ月間) | ||
21:00 | 米・MBA住宅ローン申請指数(先週) | |||
23:00 | 米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(10月) | |||
欧・株式市場は祝日のため休場(セカンドクリスマスデイ) | ||||
香港・株式市場は祝日のため休場(クリスマス) | ||||
南ア・株式市場は祝日のため休場(ボクシングデー) | ||||
豪・株式市場は祝日のため休場(ボクシングデー) | ||||
12月27日 | 木 | 国内 | 14:00 | 住宅着工件数(11月) |
国債買い入れオペ(残存10-25年、残存25年超、残存5-10年)(日本銀行) | ||||
決算発表 ニトリHD | ||||
海外 | 10:30 | 中・工業利益(11月) | ||
19:00 | ブ・FGVインフレIGPM(12月) | |||
21:30 | ブ・ローン残高(11月) | |||
21:30 | ブ・融資残高(11月) | |||
21:30 | ブ・個人ローン・デフォルト率(11月) | |||
22:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
23 :00 | 米・FHFA住宅価格指数(10月) | |||
24:00 | 米・新築住宅販売件数(11月) | |||
24:00 | 米・消費者信頼感指数(12月) | |||
ブ・中央政府財政収支(11月、28日までに) | ||||
欧・欧州中央銀行(ECB)月報 | ||||
12月28日 | 金 | 国内 | 08:30 | 有効求人倍率(11月) |
08:30 | 失業率(11月) | |||
08:30 | 消費者物価指数(東京都区部12月) | |||
08:50 | 鉱工業生産指数(11月) | |||
08:50 | 日銀金融政策決定会合における主な意見(12月19、20日分) | |||
08:50 | 対外・対内証券投資(先週) | |||
08:50 | 商業動態統計(11月) | |||
13:00 | 自動車生産台数(10月) | |||
海外 | 20:00 | ブ・全国失業率(11月) | ||
21:30 | ブ・基礎的財政収支(11月) | |||
21:30 | ブ・純債務対GDP比(11月) | |||
22:00 | 独・消費者物価指数(12月) | |||
23:45 | 米・シカゴ購買部協会景気指数(12月) | |||
24:00 | 米・中古住宅販売成約指数(11月) | |||
中・経常収支確定値(7-9月) | ||||
12月30日 | 日 | 海外 | 米国を除いた11カ国による環太平洋連携協定(TPP)発効 | |
12月31日 | 月 | 国内 | 株式市場は休場 | |
海外 | 10:00 | 中・非製造業PMI(12月) | ||
10:00 | 中・製造業PMI(12月) | |||
10:00 | 中・総合PMI(12月) | |||
19:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
20:00 | 印・財政赤字(11月) | |||
21:00 | 南ア・貿易収支(11月) | |||
26:00 | ブ・貿易収支(週次)(12月30日まで1カ月間) | |||
香港・株式市場は大晦日のため短縮取引 | ||||
1月1日 | 火 | 国内 | 株式市場は休場 | |
海外 | 米・欧・中・香港・英・豪・NZ・スイス・加・南ア・ブ・株式市場は祝日のため休場 | |||
仏・デジタル課税導入 | ||||
ブ・ジャイル・ボルソナロ氏が第38代大統領に就任(任期4年) | ||||
1月2日 | 水 | 国内 | 株式市場は休場 | |
海外 | 10:45 | 中・財新製造業PMI(12月) | ||
18:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI改定値(12月) | |||
19:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(12月) | |||
1月3日 | 木 | 国内 | 株式市場は休場 | |
海外 | 18:00 | 欧・ユーロ圏マネーサプライM3(11月) | ||
21:00 | 米・MBA住宅ローン申請指数(先週) | |||
22:15 | 米・ADP全米雇用報告(12月) | |||
22:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
24:00 | 米・ISM製造業景況指数(12月) | |||
24:00 | 米・建設支出(11月) | |||
米・自動車販売(12月、4日までに) | ||||
1月4日 | 金 | 国内 | 08:40 | 東京証券取引所、大発会、日本取引所グループの清田CEOがあいさつ |
海外 | 10:45 | 中・財新製造業PMI(12月) | ||
10:45 | 中・財新サービス業PMI(12月) | |||
10:45 | 中・財新総合PMI(12月) | |||
16:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(月次)(12月) | |||
16:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(12/23まで1カ月間) | |||
17:55 | 独・失業率(失業保険申請率)(12月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI改定値(12月) | |||
18:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI改定値(12月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(12月) | |||
19:00 | 欧・ユーロ圏生産者物価指数(11月) | |||
20:00 | ブ・PPI製造業(11月) | |||
22:30 | 米・非農業部門雇用者数(12月) | |||
22:30 | 米・失業率(12月) | |||
22:30 | 米・平均時給(12月) | |||
米・FRBのパウエル議長、イエレン前議長、バーナンキ元議長がAEA(アメリカ経済学会)年次総会でインタビューに応じる | ||||
米・アトランタ連銀総裁がAEA年次総会でパネル討論会に参加 |
- 提供:フィスコ社